小千谷縮のシボの正体。
小千谷縮は 麻というだけでも涼しいのに
更に シボがあって 肌にベタつかず 一層の涼感を生み出します。
そのシボはどうやって作っているのでしょうか?
シボやシャリ感を作るにはいくつかの方法がありますが
代表的なものが 強撚糸を使って生地にシワを作ったものです。
糸の撚りの掛け方で風合いの違う生地を織ることができます。
そもそも撚糸、というのは生地にシボを作るためではなく
蚕から取れる糸がとても細く、そのままでは使えないので
何本かを束にする必要があります。
その時に バラバラにならないように軽く撚り合せて
丈夫な1本の糸になるようにしたものです。
この撚りの掛け方で生地の風合いに変化を持たせる効果を発見し
様々な撚りの技術を進化させて
多種多様の撚糸を作り出すようになりました。
糸を撚ることは 生地表面の光沢や摩擦の強度に影響を与えます。
撚り方には右撚りと左撚りがあり
それを1メートルにつき何回回転させたかによって
甘撚り(500回)~極強撚糸(2500回以上)まであります。
糸を強く撚るとどうしても糸全体が縮れてしまい
そのままでは織ることができません。
それを濡らして引き伸ばし 糊で固めて緯糸として織ります。
織り上がった後で 湯のしにより糊を落とすと
撚糸の性質である縮もうとする力が甦り
生地にシワをもたらします。これがシボの正体です。
小千谷縮みには 右よりだけの糸が織り込まれているので
縦に大きなシワが寄った風合いになります。
楊柳もそうですね
右撚りと左撚りを交互に織り込むと
シワが小さく均一のお召や縮緬になります。
縮緬のシボは涼しさを呼ぶものではなく
ふっくらとした生地の表情が 温かみを感じさせ
寒い時期のものとなります。
また 撚りの回数が少ないほど絹本来の光沢のある生地になりますが
摩擦には弱いものになります。
綸子や繻子織りです。
撚るほどに光沢のない摩擦に強い生地となり
駒上布や絹芭蕉と呼ばれる
絹なのに麻や生紬のような風合いの生地が出来ます。
暑い時期には
このような シャリ感やシボが心地よいので
夏物を選ぶときの目安にしてください。
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