見出し画像

皺のお話。

士乎路紬は皺になりにくく、
くしゃ、と握ってもすぐに回復します。

きもののシワは、素材では生地の質(硬さ、なめらかさ)、
原因では湿気や熱が関与します。

1.素材、材質
シワになりやすい生地は、
生糸で織り上げた光沢のあるもの、
麻や芭蕉布、生紬など、植物繊維や精練されていないもの。

反対にちりめんのような、シボが多くて伸縮性に富んだ布は
シワが目立ちにくく、できても元に戻りやすい特徴があります。

2.環境、部分
深いシワを作ってしまう要因は、湿気、熱、圧力です。
スチームアイロンやプレスと同じで
生地を一定の形に保って、蒸気を与え、熱を加え、圧力を掛ける──
つまり、着ている時に汗(蒸気)をかき、体温で温め、
紐で縛ったり、座って圧を掛ける・・とシワになりやすいのです。
位置でいうと脇、帯周り、座った時の膝の裏あたりが
要注意ポイントです。

保管や持ち歩くときにもシワが発生することがあります。
箪笥にギチギチに詰め込むと
下側の着物には重さがかかってしまい
出し入れでずれたり折れたりすることもあり
畳みシワの原因になります。
シワになりやすい着物の保管を丁寧にするなら、
たたんだ折り目の部分に「芯木(しんぎ)」を入れられると良いでしょう。クッションのようなものも売っていますが
柔らかい和紙などを丸めて、厚みを付ければ大丈夫です。

深いシワをそのままにしておくと
繊維が傷ついてしまい復元できなくなってしまいます。
箪笥から時々出して確認することは
シワを防ぐと共に風を通しカビを防ぐいい機会です。
できれば着てしまいましょう。

着てる時もシワが出来る条件が揃っていますから
大事なのは着た後です。
シワの条件である 圧と湿気は脱げば解放されます。
そのまま くしゃくしゃに置いておくと
シワのまま固定してしまうので
衣文掛けにかけて 手でさっと撫でて伸ばしてあげましょう。

着物は可愛がってあげれば
いつも綺麗で楽しませてくれます。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?