見出し画像

博多帯のお話。


博多織りは、経糸を密にし緯糸を太くした平織で、
しっかりした地風が特徴です。
以前お話した綴れは 経糸より緯糸が多く
緯糸が経糸を覆ってしまって経糸が見えない生地ですが
博多織りは経糸が緯糸をすっかり覆い包み経糸しか見えません。
この織り地で縞柄を織り出したもの、
または綾織りにして文様を織り出したものを博多帯と呼んでいます。

博多帯の中でも有名なのが 献上博多と呼ばれるものです。
福岡藩主黒田家から徳川幕府への忠誠の印として、
博多に古くから伝わる独鈷に華皿柄の博多織を献上品に選びました。
それ以来、毎年3月に、帯十筋と反物三定の博多織を献上することになり、
「献上博多」の名称が誕生したものです。
献上博多織は青・赤・紺・黄・紫の5色を揃え、
の青は「仁」を、「礼」を、「智」を、黄は「信」を、
そして紫根染の紫は「徳」を表すとされています。
本来 献上品ですから 格式があり
お相撲さんは 幕内になって初めて博多帯が許されます。

今では 独鈷と華皿に様々な縞を加えたり
色柄も多彩になり
一年中使える帯として人気があります。

画像1

博多帯は経糸の密度が高く
キュッ、キュッという絹鳴りの音がします。
この音を聞くと いかにも締まってる、という感じがするのに
体は苦しくなく 一度締めたらほとんど緩みません。
夏には 夏専用に紗献上が出回り人気ですが
通常の献上帯も夏場でも締めること出来ます。
盛夏でもお召頂けますが涼しくはありません・・

浴衣に合わせたり
紬に小紋に、と幅広コーディネートを楽しめる博多帯。
1本あると便利です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?