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洗ったら、寝押しをしてみましょう。

麻の季節になりました。
麻の着物の良さは 涼しいのはもちろん、
自宅でも 気軽に洗えてしまうこと。
汗ばむこの季節には 自分で洗えることは
気持ちよいし 経済的ですね。
  
小千谷縮などの洗い方は何度も書いていますが
袖畳にして ネットに入れ
バスタブでの押し洗いか
洗濯機なら お洒落モードなどの弱水流洗いを。
脱水は最後までせずに 長くても2分以内、
脱水から引き上げると 水がポタポタする程度にしてください。
これは すっかり脱水してしまうと
シワが付いて取れなくなってしまうのと
水の重みで シワを取る、という意味を持っています。
お風呂場などで 水気が切れるまで仮干ししたら
 (この時は 袖畳みのままタオル掛けに二つ折りでオッケーです)
  陰干しで数時間でほぼ乾きます。

乾燥しきらない内に 寝押しをすれば
ピシっときれいに伸びて 次も気持ちよくお召し頂けます。
麻以外も寝押しが出来ます。

寝押し、というと学生時代の制服を思い出しますね。
雨の日など プリーツの取れてしまった
重いスカートを寝押しして翌朝プリーツのヒダがずれていた悲劇・・・
きものの寝押しは その生地によって時間が違います。

時間が長すぎれば 圧迫されすぎてテカリが出てしまいますし
短ければ 収まりが悪く寝押しの意味がありません。
縮緬などの柔らか物は8時間くらい。
紬は短めでいいのですが
大島は 8時間くらいでぴっちり仕上げるときれいです。
反対に 結城などの真綿は長すぎると
つぶれてしまうので半分くらいの時間で。
しかし いくら寝押しをしても
最初のハサミを入れる時からきちんと出来ていないと
仕立てでごまかしたものは
どんなに寝押しをしても落ち着きがよくはならないものだそうです。
そういえば もらい物のきもので妙にぶくぶくしていて
畳んでも凸凹しているのがあるのは
仕立てだけでなく ハサミの入れ方から下手なのか・・・
地の目が通っていないのでしょうね。

 
麻や木綿は半乾きの状態で寝押しをしましょう。
ぴっちりしたのが好みの方は8時間ほど。
ふっくらめがお好きな方も8時間でオッケーですが
寝押しの後に軽く霧吹きしてシワを伸ばしておくと
優しい仕上がりになります。


 
木綿は寝押しほど重いプレスはしないで
座布団を上に乗せておく程度で十分です。
それ以上すると返ってシワになりやすいです。

寝押しの仕方ですが
どの素材でも まずきちんと畳みます。
畳かカーペットの上に 薄板が無ければ
厚めのダンボール紙で着物を上下から挟み
その上に布団を乗せます。
実際の睡眠時でなければ
きものを三つ畳にして 座布団を乗せ
その上に座っていてもオッケーです。
TVを見たり本を読んでいる隙に寝押しもしてしまいましょう。

小千谷縮などは 毎回洗わなくとも
汗をかいた脇や帯下周りに霧を吹いてから
乾いたタオルで叩いて汗の成分をタオルに吸収させてから
一晩吊るしておけば シワも汗もかなり取れます。

この夏は 自宅洗い、自宅干しをして
節電とエコに貢献しましょう。  

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