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結城縮の魅力。

いつかは結城。
紬好きなら そう思ってる方も多いと思います。
結城紬の魅力は軽く暖かな風合と染の堅牢さ、
素朴ながら緻密な絣の正確さが
全て人の手で生み出されていることです。
結城紬には著名な作家はいませんが、
全ての工程が手仕事の技が終結した共同作業です。
最初に大切なのは真綿から手で糸を引き出すことで
熟練の技でも1反分に1ヶ月以上かかります。
また100亀甲絣だと絣括りだけで3ヶ月以上、
精巧な絣になると限りがありません。半年、1年掛かるものもあります。
経糸を腰で直接支える地機での織りは
結城独特の60センチもある大きな杼で
一段一段絣を合わせながら打ち込んでいく根気作業です。
これらを経て、さらに15項目の審査に合格したものだけが
本場結城紬としての証紙が貼られるのです。
本物だけが持つ確かな存在感があります。

その本場結城紬には、糸に撚りのかかっていない「平織」と
撚りのかかった「縮」の二種類があります。
かつては縮が多く織られていましたが
昭和31年に「平織」が重要無形文化財指定を受けた後は、
すっかり生産が減ってしまいました。
ユネスコの無形文化財として指定された結城ですが
名度に反比例して生産数は激減の一途です。
その中で 更に希少な結城縮。
現在 年間生産数は 高機、帯を含めて1000反を切っていますが
地機の本場結城紬の反物は500反以下。
その中から 更に結城縮は3%以下だそうです。
ほぼ、受注生産なので 出会える可能性はごく僅かです。
希少だから、ではなく
単衣としてもお召いただける 
軽やかな風合いをお楽しみ頂きたいと思います
単衣として 何がいいのか、と聞かれたら
まずは 本塩沢やお召をお勧めします。
お値ごろで色柄も多いので。
しかし 実際にお召になっているお客様は
いつでもつい、手に取ってしまう単衣は
結城縮だとおっしゃいます。
なので ちょっと値は張りますが 結城縮のリピーターの方は多いです。
他の単衣はもういらないから。。。と。
その良さは、軽くて涼しく、皺にならない。それに尽きます。
 
手引きの真綿である結城の糸に撚りをかけるのは
糸が切れないように水で濡らしながらの作業です。
下撚りをかけた後、もう一度本撚りをかけ、
糸1メートルの間に1500~1800回程度の撚りをかけます。
織り上がってから、湯に通すと撚りのかかったヨコ糸が約1割ほど縮み、
結城縮独特の風合いが生まれます 
縮んだあとは 平織と同じ反幅ですが
実際に織る時には 1寸ほど幅広に織っていますので
糸の量もそれだけ多く
撚りをかける手間と相まって平織より1割ほどお高くなってしまいます。
でも その価値は十分すぎるほどの結城縮なのです。


只今、じざいやには 本場結城縮、2反ございます。 

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