見出し画像

減り続ける

緊急事態宣言が再発令されてしまいました。
成人式も中止の自治体が増えていて どうなるきもの業界?

どこへ行っても不況・高齢化です。
倒産、廃業する業者も相次いでいます。
産地崩壊と言われていますが 
実際に生産数は年々減少していて
戦後の最盛期には1500万反と言われていた白生地も
丹後だけでみても昭和48年 966万反で
平成28が31万反、かつての3.4%です。
それでも30万反もあるのか・・・という気もしますが。
各地の紬も 昭和の40年後半から50年前半あたりを
ピークとして減る一方です。 
ピーク時を100%として比較すると
日本三大紬と呼ばれている
大島紬は昭和47年のピークが29万反で
平成31年は3671反、1.26%。
結城紬で昭和55年に31288反が 
平成29年で960反、3%。
帯も入れての数ですが、毎年1割づつ減っているそうです。
本塩沢なども同じ位のようです。

数だけで見ていると絶滅しそうな着物ですが
実際に普段から着物を着ている人口から考えると
過剰とも思える量が流通しています。
国内で新しく作られたものだけでなく
海外からの量産品や 過去に作られたものも売れずに
流通在庫として残っているうえに
リサイクル着物も混在しているからです。
 
これは戦後の高度成長期に
「箪笥の肥やし着物」を作り続けたツケだろうと思います。
「いつか着るかもしれない着物」
「持っていたほうが良い着物」と言われて買わされた着物です。
今は高いお金で不要な着物を買う人はそういません。
しかし 一部の人には不要な着物だとしても 
着物が創られてきた技術が不要になった訳ではないのです。
それなのに着物全体の低迷で
ものづくりの職人さん・悉皆や仕立などの職人さんさん(技術者)が
激減しています。

腕の良い職人さんはすぐに育つものではありませんが
現在の呉服業界には 職人を育てる余裕がありません。
腕の良い職人さんは高齢になり
次代に継承しなけれ技術は絶えてしまうのに
若い世代が現場で 高度な技術を身に付ける喜びや
ものづくりの達成感を味わうと共に
生活を支えられるだけの賃金が保障されなければ
明るい将来を夢見て
仕事に打ち込めるはずがありません。
次の世代を育てるための環境つくりが
早急に必要とされています。
ドイツのマイスター制度のように
国が認め、仕事としての誇りと
技術に見合った賃金を約束がなければ
多くの職人を育てることは不可能です。
今の状況は無理な手抜き仕をの安い工賃でさせ
職人の誇りも失わせてしまっているのです。

職人さんの喜びは 作ることだけでなく
使ってもらえること。
補助金などで賃金を上げるだけでなく
自分の作品が世の中で他の人の喜びになっていることを
実感してもらえることも大切です。
 
着物離れは消費者だけでなく
生産者側でも起きています。
今、早急に手を打たないと
ものづくりは出来なくなります。
着物を着る人を増やし、裾野を広げて
着物が必要なものであると認識されるためにも
着物をどんどん着て 出かけて下さい。

あー それにしても コロナの憎さよ。。。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?