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家紋・加賀紋・洒落紋

来年の成人式、横浜では会場二か所で各4回に分けて
8回の式典を行うそうです。
どうなんでしょう・・・
まぁ 振袖のレンタル屋さんは安堵したことでしょう。

振袖は未婚女性の正装、とされています。
本来の正装には 紋がつきますが
振袖は 本来の紋の位置にも華やかな柄が描かれていることが多く
紋が付いてないものがほとんどです。
かつて 成人式用ではなく
本当に未婚のお嬢さんの正装としての振袖が着られていた頃には
多くの振袖には紋が入っていたそうです。
  
家紋の成り立ちですが
平安中期頃から貴族の間では
様々なものを文様化する文化が起こりました。
そのうちに自分の持ち物である武具や調度品に
目印として文様を入れるようなったことが始りです。
次第に正装時の衣装や牛車などに
特定の模様を付け
その家柄ごとを区別するようになりました。 
戦国時代には旗印として敵味方を分けるものとなり
江戸時代になると 武家の家柄を現すものとして 
衣服につけることが定着しました。
それが力のある商家などに広がり
明治に全ての国民が苗字を持つようになって
一般にも 着物にも家紋を付けるようになったのです。

家紋をつけると その着物の格が上がります。
紋の数が多いほど格も高くなります。

一番上は染め抜きの5つ紋で
黒留袖や色留袖につけて第一礼装とします。
叙勲授章などで宮中に参内する時は
染抜きの五つ紋の色留袖と決まっています。 
でも そんな機会はあまり・・というかほとんどありませんねぇ。

結婚式や授与式に着る色留袖には三つ紋が必要ですが
お茶会や会食、学校の行事などには1つ紋で充分です。

また、 家紋を華やかにする加賀紋、というのがあります。
それは300年以上も昔から加賀地域にのみ伝わる特殊な家紋です。

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 1.定紋の回りを模様が囲む飾り紋で
   直径が1寸2分(約4,5センチ)の5つ紋。
 2.模様は糸目糊が施された友禅で
   華やかな草花、吉祥柄が多い。
 3.布地は加賀絹の黒地で上流階級の武士、
   もしくは町民の中でも風流人の着物、羽織に用いた。
 とされています。必ず家紋が入ります。

それに対して家紋の入らないものを
伊達紋、とか 洒落紋、と呼びます。
 
かつて家紋は武士社会の男性にのみ許されたもので
女性ではごく一部の身分の高い人に限られていました。
当時の着物は小袖と呼ばれるもので
大きな文様が全面に施されているものが多く
家紋を入れる位置にも柄が入っています。
江戸中期になると 庶民にも家紋が普及して
柄付けが全体から下部に重みが置かれるようになります。
丈夫の空間を飾るものとして伊達紋が現れました。
その多くは紋とは思えないほど大きく 
背中や胸を覆うほどのものでした。
日本紋章学によると
「俳優や侠客、市井の遊治郎が好んで用いたもので
 歌や名所や故事にちなんで図案を考案し
 家紋のように衣服につけたものであるが
 これは紋章というよりは、むしろ文様に近いものであった」
とされています。
 
つまり 加賀紋は家紋の回りを美しく装飾したもので
正式な席でも家紋として通りますが
伊達紋洒落紋は 文様の一部として扱われ家紋の替りには
使えません。

逆にいえば 伊達紋・洒落紋は模様の一部として
どんなものでも可能、ということです。
じざいやでは

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