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黄色

夏のビタミンカラー、向日葵の黄色に心奪われるようになりました。
個人的は ピンクを中心とした色が私の色なのですが
ピンクに黄色を合わせるのも可愛いなぁ。と。
  
黄色にもいろいろ幅がありまして
染料によって 緑を含んだカリヤス、
紅花は赤味の黄色、槐花(えんじゅ)は目の覚めるような
黄色を出します。
 
中国において 黄色は大地を表す色として皇帝の色でした。
古代ギリシャやローマでは サフランの黄色が高貴な色と
されていました。
琉球では王家の色として庶民には禁色でした。
黄色は黄金や太陽に通じる富と名誉の色であったのです。

日本での黄色の代表はカリヤス。
正倉院文書にも登場するイネ科の植物です。
近江刈安と呼ばれる滋賀県伊吹山産のものが
最上とされました。
それは 伊吹山山頂は高い木が少なく
草原のようになっているため 刈安は紫外線を
強く浴び それから身を守るために
色素成分のフラボンを大量に含むからです。
 
黄八丈に使われる黄色も刈安ですが
同じイネ科でも 八丈刈安、もしくは こぶな草と呼ばれる
別の植物です。
すでに工房を閉鎖してしまいましたが
秋田八丈の黄色は 秋田には刈安が生息しないために
ハマナスで染められました。

着物を包むうこんの風呂敷はカレーに入れるターメリックで
しょうがの仲間の根っこです。 
たくあんの黄色の色もうこんです。 
香辛料でもあるため香りが強く虫除けとしての効能もあり
美術品や着物を包むのに使用されます。

黄色の着物として有名なのは紅花です。
5世紀ごろに日本に入ってたとされています。
呉から着た藍(藍は染料の代表格で染料の総称でもありました)
ということで、くれあい、後にくれない、になりました。
名前の通り 紅色に染める染料ですが
赤を出す前に黄色の色素を出すので
これを使って 透明感のある鮮やかな黄色を染められます。

栗きんとんに色付けをする クチナシも着物の染に使われます。
くちなしの色名は、大変古く、延喜式にはすでにこの名があります。

黄色の着物はいろいろな帯を迎え入れます。
グリーン系、茶系はもちろん、トーンを添ええれば紫とも
相性がいいですし 緋色もきれいです。
薄い黄色には 水色やグレー、桜色も優しく沿います。
年齢、季節、お好みに応じて
多様な着こなしに対応してくれるので
昔から愛されてきたのでしょう。

夏の向日葵やレモンの黄色、
秋の銀杏や朽葉の黄色、
冬の福寿草から蝋梅、エニシダの黄色、
春のタンポポの黄色。
四季を通じて様々な黄色を楽しめる日本に感謝です。


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