大島紬について その1.

7/12(日)と15(水)に 大島紬セミナーを開催します。
セミナーといっても こんな時期ですから ごく少人数(5名)で
中身の濃いのを・・・
12日は既に満席ですが 15日はあと1席空きがあります。

メルマガでも何度も大島紬については書いてますので
その中から 抜粋して連続で投稿して セミナーの予習といいますか
ご参加にならない方にも 大島紬のすばらしさ、面白さをお伝えできれば。。と思います。
店には お手頃一桁万円から 最高級100万円越えまで
見て触って知って頂ける大島紬を揃えました。
是非一度 触りにいらしてください。

では 大島紬、最初は「大島紬ってなに?」ということから。

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大島紬には 奄美大島産の本場奄美大島紬(地球印)と
鹿児島産の本場大島紬(旗印)の2つのマークがあることは有名です。
他にも宮崎県都城市の(鶴印)と奄美笠利の(高倉印)もありますが
ほとんど見ることはありません。
 
大島紬の発祥の地は奄美大島で「本泥染」に使用される泥は
奄美大島のものしか認められません。
他の製造工程や技法は奄美も鹿児島も同じです。
かつては奄美産にも旗印が貼られていましたが
戦争で奄美がアメリカの支配下だった時代があり
旗印の中に描かれている日の丸が使えなかったために
地球印が作られ今に至っています。

これらのマークはその大島紬の産地を現しています。
「大島紬」を名乗ってはいても十日町や京都で織られたり
白生地の大島に後染の加工をされたもの、韓国で織られたものまで
存在しますので産地証明として貼られています。
他にも「伝」マークや染料の証紙も付いています。
大島紬は伝統工芸品に指定されたのが昭和50年で
昭和63年までは任意で「伝」マークを貼っていましたので
それ以前に織られたものには付いてないものもあります。
オークションなどに出る古いものには付いていないものもあるでしょう。
 
染料の証紙は泥染めなら「純泥染」の草木染なら「草木染」の
登録証紙が付いています。
本場奄美大島紬の場合には証紙を貼るだけでなく
反物の織り口に地球マークと本場奄美大島紬の文字が
織り込まれていることに注目してください。
ネットでは証紙を貼り替える悪徳業者も存在するそうですから・・

本場奄美大島、本場大島紬の定義は
1.絹100%であること
2.先染の手織りであること
3.平織りであること
4.締機で手作業により経緯絣、及び緯絣を加工したもの
5.手織りで経緯絣、及び 緯絣を絣合わせして織ったもの
となっています。
ですから無地や縞・格子などの絣の入らないものは大島紬と呼ばれても
本場奄美大島紬や本場大島紬ではありません。
無地・縞・格子はほとんどが機械織りで
その場合、奄美大島産でも「地球印」は付きません。
鹿児島産の場合 機械織りでも「旗印」は付きますが
原則として シールの縁の色がブルーのものなら手織り、
オレンジの縁は機械織りとされています。

また新しい試みとして平成17年4月以降に織られた本場奄美大島紬には
「製造履歴シール」が付いているものもあります。
試験的に実施されているものなので数は少ないのですが
12桁のシリアルナンバーによって
パソコン上でその反物の製造工程者や製作者を
調べられる仕組みになっています。(現在はないみたいです)

偽者が横行する着物業界ですが
本物を見極める目を養うのが一番ですが
本物を振り分けるツールも知っておくことも必要です。
展示会などで沢山の大島紬があったら
チェックしてみると面白いかもしれません。

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明日からは 大島紬の 絣の種類についてをお話していきます。

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