日本の藍
長かった梅雨が明けたら この猛暑。
花火大会がないこの夏ですが 浴衣で夕涼みしたくなりますね。
こんな時に似合う浴衣は やはり藍白でキッパリしたもの。
浴衣に藍染は藍の効能からして理にかなっているのです。
天然藍の誕生は紀元前2000年。古代エジプトの時代と言われています。
藍が日本に伝来したのは、遠く飛鳥時代(538年~645年)の
およそ1400年前のことで、
「藍」は4000年の長い年月を経て、今に伝わっています。
藍染めの原料である蓼藍が、中国から日本に来たのは室町時代です。
とりわけ阿波(徳島)吉野川流域は、
蓼藍の生育に適した肥沃な土地として栽培が進められ、
徳島藩に多くの富をもたらしました。
1585年、初代徳島藩主の蜂須賀家正が、蓼藍作りを保護奨励して、
徳島藩はもちろんのこと、その後全国に藍染めが広がりました。
明治8年にイギリスの化学者アトキンソンが来日した折、
「ジャパン・ブルー(日本の青)」を一番最初に提唱し賞賛しました。
また明治23年に来日したラフカディオ・ハーン(小泉八雲)も、
「この国日本は、神秘なブルーに満ちた国」と絶賛したのです。
そんな日本の藍ですが 現在は徳島の一部の農家で
細々と栽培、すくも作りが行われているだけになっています。
日本中の藍は ほとんどが徳島産なのです
(琉球藍や生藍などはまたの機会に)
日本の庶民に愛された藍は
生活体験の中からさまざまな効用が認められています。
1.薬用
藍の葉や種は ふぐ中毒の解毒に、また解熱用として感冒薬として使われました。
藍種・藍葉は、煎じて飲めば健康増進に良いと言われています。
助六が頭にに巻いているのが藍染めの布。
藍染には解熱、鎮痛の作用があるとされ、頭痛持ちのトレードマークでもあります。
2.防虫
藍で濃く染めた布や紙は虫を寄せつけないと言われ、
ヘビなども近寄らないために、野良着やモンペ、足袋など
仕事着に藍染めが用いられました。
あせもやかぶれ、皮膚病にも殺菌効果があり、
藍染めの下着や靴下が重宝されています。
3.消臭・保温
藍染めの下着を着ると汗臭さが無く、しかも温かい。
肌荒れを防ぎ、冷え性にも効果的と言えます。
むかし武士達は戦場に行くとき、下着は藍染めであったのも、
古来から藍の持つ効用のゆえであります。
4.生地を強くする
藍染めは糸を強くすると言われています。
昔の火消し装束、よろい、かぶとの紐、剣道着等に藍染めが用いられました。
日本人に藍の似合わない人はいない、と言われます。
藍は日本人にとって馴染み深く、
その色も ごく薄い「甕覗き」から黒に近い「褐色(かちいろ)」まで
様々に呼び名がついていてそのどれかに似合う色があるのです。
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