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着物をしまう前のチェック。自宅で出来る染み抜きケア。

この夏は 着物、お召しになりましたか?
暑いし、自粛もで、断念した方も多かったかと思います。
着てしまえば 意外と気持ちがしゃっきりして
暑さを感じなかったりするのですが
着るまでの工程が面倒に感じちゃったりしますね。
  
着物をお召しになった日には
脱いだ着物に風を通して
すっかり水分を追い出したことと思います。
夏に1,2回しか着なかった着物なら・・・

それが正絹の絽や紗でしたら。
衿、脇、背中のお太鼓で隠れる部分、
目を近づけて じっくり眺めて下さい。
シミになっていませんか?
裾は泥はねなどで汚れが付いていませんか?
大丈夫だったら 
お天気の良い、乾燥した日にもう一度風を通して
あれば その着物の残布か 別珍の小布で
全体を軽くぬぐってやると
表面の軽い汚れが落ちます。 
畳んで 風呂敷などに包んで箪笥へ。
以前も メルマガに書きましたが
たとう紙は 湿気を呼ぶ元になりますので
(除湿たとう紙、なるものも売っているようですが)
出来るだけ 風呂敷などに包んで箪笥へ。
私は 着物の種類別に2,3枚を
一度に風呂敷に包んでしまいます。
来年の夏まで しばしのお別れです。

もうちょっと頑張って数回着たのでしたら
気が付かないうちに汚れがついているかもしれません。
仕舞う前に一度チェックしてみましょう。
大切な着物、草木染のものなどのお手入れは
プロに任せるのがベストですが
お金を掛けるほどでもないし・・・という着物で
自己責任でどうにかしたい、という方に
ご自宅で出来る染み抜きの方法です。
まず、シミはその性質によって落とし方が違います。

 1.水溶性のシミ
 お酒やビール、ジュースやお吸い物など。
 用意するのはきれいな手ぬぐいを二枚。水。
 最初にシミの下にきれいで乾いた手ぬぐいを敷いて
 汚れの逃げ場を作ってやります。
 きれいな水で濡らして硬く絞ったもう一枚の手ぬぐいで
 シミの上から垂直にトントン、叩いて
 汚れと水分を下の手ぬぐいに吸い取らせるようにします。
 この時 手ぬぐいを横にこすらないで 垂直に上下させます。
 絹は決して水に弱いものではありませんが
 濡れた状態での摩擦にはとても弱くケバ立ちになります。
 手ぬぐいを何度も洗っては叩き、を繰り返し
 下の手ぬぐいに汚れが付かないようになったら
 手早く乾かします。

 2.油性のシミ
 化粧品やクレヨン、衿、袖口の汚れなど。
 ベンジンを使います。火に気をつけてください。
 新しいタオルにたっぷり目にベンジンを含ませ
 手早く叩くように汚れを取ります。 
 揮発性が高く布が濡れた状態にならないので
 多少は横にこすっても大丈夫です。
 (着物の繊維は横方向のこすれに弱いです。経には比較的大丈夫)
 輪ジミになりやすいので 最後は大きく外に向ってぼかすようにします。

 3.たんぱく質のシミ
 血液や牛乳、卵など。
 熱により変質しますのでプロに任せましょう。

 4.泥はね
 裾の内側など細かい泥はねが結構付くものです。
 充分に乾燥させてから 硬めの歯ブラシでそっと、
 生地の布目に沿って 縦方向に擦り落とします。
 地色の濃いものでしたら その後水溶性のシミの手順で
 シミ抜きしますが 地色の薄いものは
 難しいのでプロにお願いしたほうが安全です。

麻や木綿は自宅で洗ってお手入れ出来るのが身上ですから
以前にも書いた お手入れ洗濯方法で。
絹はあくまで、自己責任で。
基本的にはプロに任せるのが事故にならない最良の方法です。

朝晩の風が涼しくなってきて
今年は 9月いっぱい夏物で通すか!?と思ったりしてましたけど
ちゃんと秋が来て 9月半ばには夏物をしまえそう・・・かな。
お襦袢は10月一杯くらいまで麻ですけどね。



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