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草花あそび & お手当

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植物をつかったお手当や草木と触れ合うたのしみを綴ったエッセイや詩。
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記事一覧

あまい てるてる坊主〜くちなしのおひさま染め〜

あめあがり。 しろい空に みどりの星が かがやきます。 星々の向こう ながれてくるのは 夏をはらんだ あまい香り ことしもまた だいすきな くちなしのお花が 咲いていました。 あまい てるてる坊主😁♡ このしっとりした 白のなか 黄金色が そだっています。 やさしい あまい香りのなかに 黄金色が やどっています。 ふゆ 寒さ ふかまるころ  くちなしは くちばしのような 深紅の種を たっぷりと むすびます。 くちなしの実は、生薬としても つかわ

ちいさなともしび

じょき じょき じょき ぎゅっと むすんだ 髪のうえ はさみが すいすい およぎます 切りとられた あたしの髪は もう さいしょから なかったみたい 手放すと決めて のばした髪の はんぶんは わたしのもので はんぶんは さいしょから だれかのもの じょき じょき じょき きれいさっぱり ながれていった 一寸(いっすん)の まよいもなく これっぽっちの みれんもなく ただ たくさんの かんしゃとともに * * * * * * * * * * * 3

ちいさな畑ガーデン〜ふゆのはじまり〜

冬にむかう、ちいさな嵐の合間 合間に おとずれる おだやかな朝。 そんな朝の畑は  いつまでも みあきることがありません。 きらめく緑のなかで たたずむ 菜の花ちゃん✨ だいすきな じかん。 うちのかわい子ちゃんたち☺️♡ 最初の年は、ほとんど収穫できるものはなかったのですが3年目の今年はたっぷり葉物たちが育ってくれました。 (じゆうな木)「みんな、ありがとう〜😂」 寒さが深まると 朝のきらきら時間もながくなります。 葉っぱ ひとつひとつが、お日さまの光を心

よろこびいろのかえりみち

やまぶき色の イチョウの はっぱ くるくる ひらひら まいおちた かわいい かたち! すてきな きいろ! はっぱが おちる ただ それだけで たのしくて うれしくて こころも わくわく くるくる おどるよ 「イチョウさん、もっときて!」 イチョウに向かって 声をかけたら イチョウは パタパタ 空色の 風をよび さららら るるる やまぶき色が はじけたよ 畑からのかえりみち、おひさまのひかりを さんさん!あびて、やさしい空色の空気のなか イチョウたちが笑っていました。

あまいさんぽみち

この地を みたす すべての くうきに きみがいる わたしのなかの くうきがぜんぶ きみの かおりで そまったとき とおくから  さーっと ひかりが  やってきたよ それは かろやかに ながれるように やってきて きみの かおりと まじわった どんどん どんどん ふくらんで ひろがっていく わたしを つきぬけていく  そのかおりと ひかりの じゅんすいさに 時を わすれ しばらく そこに たちつくしたよ 母校(小学校)の思い出のお花は、金木犀と赤のサルビア。

ゆきだるまの受付嬢

夏の日差しを たっぷりあびて 畑に咲いた ゆきだるまたち (じゆうな木)「なでたいくらい かわいいね🥺」 (ひょうたん)「♡」 ゆっくり 茎葉を しぼませて ゆきだるまは 萌黄色(もえぎいろ)に ひやけしました パチンと はさみで きりとると ずしりと おもたい ゆきだるま そのおなかに たっぷり たねを つめこんで ぷくぷく つやつや ひかります お水のなかで そっと あらうと ルルルル ラララ!と  ひかりの楽譜が あらわれて ゆきだるまは かわい

太陽の星〜セントジョーンズワート〜

Hypericum perforatum L. はいぺりかむ ぱふぉらたむ える。 古代ギリシア語「Hypericum」は、「あらゆる病気や悪魔に打ち勝つ」という意味があるそうです(ジャパンハーブソサエティー『ハーブのすべてがわかる事典』より)。この「Hypericum」を学名にもつセントジョーンズワートは、実にさまざまな名前で呼ばれています。 セイヨウオトギリソウ(弟切草) サンシャインハーブ(陽光の薬草) ハッピーハーブ(幸福の薬草) セントジョーンズワート(聖ヨハネ

マナーオ〜風邪のひきはじめにタイの香りを〜

「ペンアライナ?(どうしたの?) もしかしてちょっと風邪気味?」 ルームメイトのジャップが、ベッドに座っていたわたしのとなりに腰をおろしました。 「うん、ちょっと のどが いたいかも」 常夏タイでも、季節はあります。乾季、雨季、そして少し涼しい季節。日本の秋口のような涼しい季節は、バンコクだと1週間くらいで去ってしまう年もありますが、この涼しい季節に入ると ここぞとばかり、革ジャンなどを着て(!) 束の間の秋口ファッションを愉しむひとたちが続出するのです(笑)。 「ナ

あさがおのおひさま染め

あれは 3年前のこと 友人にもらった あさがおの種を にぎりしめ むくむく わきあがった ひとつの夢 あさがおのアーチを くぐりたい! その夏 はじめて創った ちいさな庭に 咲いてくれた 可愛い あさがお。 森の散歩道で ひろいあつめた 枝を組み なんとかつくった 少し頼りない 支柱のうえに 元気に 葉っぱを しげらせ 可愛い顔を たくさん みせてくれました。 そのちいさな あさがおのアーチを くぐるとき 胸は トクンと ときめいて まいあさ このアー

ぷくぷくふつふつ

ぜんぶ すでに ここにあるよ くうきの なかに みずの なかに つちの なかに いのちのみなもと ぷくぷく ふつふつ くさの なかに 木の なかに むしの なかに ひつようなもの ぷくぷく ふつふつ とりのなかに どうぶつの なかに きみの なかに うつくしいもの ぷくぷく ふつふつ 酵母(こうぼ)たちが ぷくぷく ぷくぷく ふつふつ ふつふつ いきをしている いきをしている ひとも きっと パンみたいに 目にみえない ちいさな いのちが  たっぷり ぎゅっと つま

おひさまの野草茶〜sun tea〜

おひさまの ひかりに ゆっくり やさしく つつまれて ほぐされて 野草(ハーブ)たちは お水から すこしずつ すこしずつ あたためられます じんわり ゆっくり あたたかくなっていく おひさまの おふろのなかで やがて 野草たちは 手をつないで およぎます じかんをかけて ゆっくり つくる おひさまの 野草茶は すべての野草が とけあって あまりの まろやかさと 美味しさに  思わず笑みが こぼれてしまう ちょっと くせのある あの子も かなり 独特な味の あの子も い

ぽたりぽたり春の夜空〜タチアオイ〜

ちいさな庭の タチアオイさん じっくり ゆっくり 時間をかけて  たっぷり 咲かせた 真紅のお花 それはまるで 魔法のように ぽんぽん ぽたり 次から次へと あふれて こぼれて...... もうすぐ きみは 最後のお花を 落とします ぽたり ぽたり おちたお花を ことこと ことこと ゆっくり煮ると お鍋のなかには 春の夜空が ひろがります その夜空に ちいさな布を ひたしていきます タチアオイが しみこんだ その布から これから迎える夏も 秋も 冬の日も タチア

ゆきのしたのお手当

昨年の春 通りがかりの ちいさな露店で 念願の ゆきのしたを 見つけました お花好きな その方が育てた ゆきのしたは ぷっくり つやつや 愛らしく わたしの ちいさなお庭にも すっとなじんでくれました ゆきのしたは お花が可愛いだけでは ありません 葉っぱは 古来より 傷、火傷、かぶれ、虫刺され、中耳炎....... たくさんの 疾患に 癒しの手を さしのべて くれています わたしは 天然の化粧水として  日に焼けた肌を なだめるお薬として この美しい葉っぱを つかってい