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寒い冬ですね

みなさんこんにちは!自由港書店です。1月。いつもどおり木金土で営業しております。2023年はスロースタート。春が来るまでのあいだは、気持ちゆっくり営業していこうと思っています。あたたかい冬だなあ、と思っていたら、ここにきてぐっと冷えてきましたね。あたたかいセーターを着て、あたたかく過ごしたいものです。

きょうは、あたたかい本をご紹介します。

2020年に刊行された、HOLY'S 保里尚美さんの本『働くセーター』(文化出版局)。HOLY'S 保里尚美さんは、広島を拠点に、編み物の個展やオーダー会での受注制作、少人数制の編み物教室などを行っていらっしゃるかたです。この『働くセーター』は、保里尚美さんがつくりだした、働くひとのための、軽くて動きやすく、暖かく長持ちするセーター、その名も「働くセーター」の本です。実際に「働くセーター」を着て働いているかたたちの写真がたくさんおさめられています。汗を流し、手を動かし、黙々と、じぶんが心から「いい」と思えるものを作り続けること。働くということは、うつくしく、尊いこと。『働くセーター』を読んでいると、そう思います。『働くセーター』には、自分サイズで編める5サイズの製図もついています。

私が作りたかったのは、着る人の日々に寄り添い、体の一部になるセーターでした。sweaterの語源がsweatであるように、それはウールの特質であり、汗をかけば逃がしてくれる、動きやすさを備えた仕事着となるセーターです。

『働くセーター』「まえがき」より
HOLY'S 保里尚美『働くセーター』(2020|文化出版局)表紙
HOLY'S 保里尚美『働くセーター』(2020|文化出版局)裏表紙

保里尚美さんは、ゴフスタインの絵本『ゴールディーのお人形』にインスピレーションを受けて「働くセーター」を生み出されたといいます。自由港書店には、ゴフスタインの絵本『ゴールディーのお人形』もしっかり揃えております。M・B・ゴフスタインは、シンプルな線画と言葉で、人間にとってほんとうにたいせつなこと、「働く」ということの本来的な尊さを描いた作品を数多く残した作家さんです。気持ちを込めて、ものを創造するということ。気持ちをこめて創られたものは、誰かの心にまで届いていくものになるのだ、ということ。M・B・ゴフスタインの作品には、すべてそうしたメッセージがこめられています。自由港書店には、M・B・ゴフスタインの本、たくさん揃えています。

『作家 A Writer』(1986)
『ブルッキーのひつじ』(1989)
『ピアノ調律師』(2012復刊)
『ゴールディーのお人形』(2013復刊)
『おばあちゃんのはこぶね』(2018復々刊)
『ゴフスタイン つつましく美しい絵本の世界』(2021新刊)
(品切時ご容赦ください/他多数の刊行物がございます/鋭意品揃えを広げてまいります)

M.B.ゴフスタインの本たち

ゴフスタインの絵本『ゴールディーのお人形』は、森で拾った「いい枝」を使って人形を作る仕事をして暮らしている女の子・ゴールディーの物語。ゴールディーは、「森で拾った枝じゃないと、生きた感じがしないから」といって、大工さんがくれようとするきれいに四角く切られた木っ端をもらおうとしません。ゴールディーは、人形を作りながら、人形に笑いかけ、その笑顔をうつすように、人形の顔を描いていきます。その笑顔が、ゴールディーの作る人形の人気の秘密なのでした。

M.B.ゴフスタイン『ゴールディーのお人形』(現代企画室)

そして。2022年12月24日に発売されたばかりの保里尚美さんの本(私家版)「HOLY'S USAKUMA BOOK」、自由港書店に届きました!「うさクマ」ですよ「うさクマ」!なんてかわいらしいのでしょうか。かわいい笑顔です。眺めているだけで笑顔になっちゃいます。

『HOLY'S USAKUMA BOOK』

この「HOLY'S USAKUMA BOOK」には、保里尚美さんがシェットランド・スピンドリフトの糸を編んで作ったかわいい「うさクマ」たちが並んでいるのです。そして、「うさクマ」たちは、みんな「働くセーター」を着ているのです!本の最後には「HOW TO MAKE 基本のウサギを編んでみましょう」がついています。

笑顔がかわいいです

誰かのことを思って作られたうさクマたちはとても愛らしいものです。それぞれのうさクマたちに添えられたエピソードの文章も心を温めてくれます。あなたもぜひ、次の冬に向けて編みはじめてみませんか?きっと温かい気持ちになれますよ!・・・わたし? ええ、やってみましょう(笑)

最後にもう1冊、あたたかい本をご紹介。2022年11月に刊行された『ラトビアのミトン 200』(誠文堂新光社)です。北ヨーロッパに位置するバルト三国の中央にある国・ラトビアが誇る手工芸、美しい編みこみミトンを集めた写真集です。この本を読みますと、ひとつひとつのミトンの文様・模様に、さまざまな意味や思いが込められていることがわかります。それは、祈り・願い。

当店の入口の右手にお2階のSUBARUさんにつながる階段があります

この『ラトビアのミトン 200』はLIEPA(リエパ)という名前のエディトリアルユニットによってつくられた本なのです。LIEPA(リエパ)は、「菩提樹」を意味するラトビア語。編集者/中田早苗さん、フォトグラファー/蜂巣文香さん、ラトビア雑貨専門店SUBARUオーナー/溝口明子さんの3人組のエディトリアルユニットなのでした。ーーーそう!当店の入る内田ビルのお2階にある、ラトビア雑貨専門店SUBARUのオーナーである溝口明子さんがコーディネート・校閲を担当しておられるのでした!

これだけの数の(200!)思いのこもったミトンを集めて写真を撮って一冊の本にして・・・。その仕事もまた、途轍もない仕事だなあ・・・と尊敬の念を持ちます。

気持ちの込もった手仕事は、それだけで心をあたたかくしてくれますよね。まだまだ寒い日が続きます。寒い中、自由港書店にお越しくださるお客様、誠にありがとうございます、当店で本をお選びになられた後は、どうぞお2階の、ラトビア雑貨専門店SUBARUさまで、あたたかいひとときをお過ごしになってくださいませ!

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