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【毎週一篇/詩やエッセイをご紹介】夏を迎えにいくあなたへ

こんにちは。自由丁スタッフの髙野です!

近頃の汗ばむ気候から一変、今日は涼しげな雨模様ですね。
窓を開けて涼んでは、肌寒くなって閉めて、少し暑くなってまた開けて。
そんなことを繰り返しながら書いている本日です。笑

着る服や室内の温度調整に少し迷うようなお天気ですが、
気温差に体調を崩さぬよう調整していきましょうね。

さて、本日も「自由丁今朝の落書き」よりおすすめの詩やエッセイをご紹介していきます!


今週の一篇『詩景を描く』

暑さが多くを忘れさせ
たったいくつか残すなら
強く握って離さずいたいな
風鈴みたいに軽やかに揺れる心
真っ白なシャツ
青い爪
汗伝う澄んだ髪色
鼻歌交じった助手席の窓

秋冬春をかけ
手塩に掛けて握ったような入道雲
味わいながら涼むなら
誰の隣 何処で一人
何を飲む
何をまとう
何を思う

綺麗事みたいな氷
溶かして私のものにして
涼やかな心
時を緩めて愛したいなら
呟いたのは私の中の少年少女

走り回る川辺に似合う大きな空を描く
彩る青と白をつくるべく
混ぜ合わせる唯一無二の自我と季節

残った色を頬に塗り遊び
青く白くなっていく私たち
世界はそれを羨みながら
赤く黒く冷めていく

暑さが多くを忘れさせ
たったいくつか残すなら
忘れぬように
或いは忘れるように
叫ぶだろう私にとっての宝の在り処
青いシャツ
銀の指輪
雨上がりの空に似合う声
架かる虹が似合う顔

遠くで風物詩が鳴る
たった一度の心が揺れる
さあ今何を思う

2024年6月15日の「自由丁今朝の落書き」より

自由丁スタッフからのコメント

徐々に上がっていく気温に、街ゆく人の服装の変化に、夏らしいイベントの開催のお知らせに、今年も夏が近づいてきていることを感じるこの頃です。

今回の一篇は、「さて、今年の夏は何をしようか」と、
そんな想像を掻き立てられるような一篇だなぁと思いました。

きっと今年も、暑さに負けぬように、暑さと共に笑って過ごせるように、
あの手この手で涼しさを取り入れてみたり、時には暑さの中に飛び出してみたり、そうやって夏を過ごしていく。
そんな日々の中では、きっと何かを変えようとする代わりに、何かを忘れていくんだろうなとも思います。

夏に限ったことではないかもしれないけれど、季節の変化によって何か忘れてしまうことがあるとするなら、少し先取りして「これはどうか忘れずに過ごしたい」と願うことも、自分なりに季節を楽しむための一つの方法として良いのかもしれないなぁと、そんな気がしました。

皆さんは、どんなことを思いましたか?
来る夏もどうか、大切なことを忘れずに、健やかに過ごしたいものですね^^

自由丁今朝の落書きについて

自由丁今朝の落書きは、自由丁オーナーであり、詩人・エッセイストの小山将平が日々綴る言葉たちです。

ご紹介する作品は、あなたの気持ちにそっと寄り添ってくれるような詩だったり、思わず一緒に唸ってしまうような日頃の考え事を綴ったエッセイだったり。
内容は様々ですが、何気ない日々の他愛ない時間を愛でるような、ほっと一息つけるような文章が多いです。

数分でお読み頂けるものなので、ちょっとした休憩時間に、待ち合わせの合間に、眠りにつく前に、ぜひ。

▼これまでの作品や最新作はこちらからお読み頂けます!

最後に

こちらの記事では、一週間のうちに書かれた「自由丁今朝の落書き」を、スタッフのコメントと共にご紹介しています。

一緒にあれこれ考えてみたり、ただぼーっと読んでみたり、お気に入りの一篇を探したりして頂けたら嬉しいです!
「こんなことを思った」「この言葉に共感した」などの感想をシェアして頂けたらさらに大喜びです。ぜひフォローもよろしくお願いします^^