『タタール人の砂漠』

久しぶり、なんなら一年ぶりくらいにまともに読んだ新しい一冊。

正直、めちゃくちゃ読みづらかった。軍の用語もよくわからないし、砦だとかその周辺の構造も全然想像できない。そのうえ文章が私とは合わない。文章の上を目が滑って滑って仕方なかった。

どうしてこんなにも自分とは合わない作品をよんだのかというと、ある友達が私の生活を見て薦めてくれたからだ。私はいま会社で窓際族をやっていて、仕事が二日に一回くらいしかこない。転職しようかとも迷ったり資格とろうかだとかいろいろ迷っている自分を見て、友達がこんな本があるよ、と勧めてくれたのだ。

簡単に言えば、主人公ドローゴが国境にある砦に配属されて、いつ襲来してくるかも、というかそもそも襲来してくるかもわからない敵を待ち続ける、というような話だ。正直話自体は単調で描写もなかなかにわかりにくく完全に私好みではなかったのだが、それでもこの話は私にとって他人事ではないなと思った。私もいつか来る大きい仕事を待ち続けて結局40、50歳までなにも仕事を任されず、最終的にはお払い箱になるような人生が見えなくもない。

私が好きな作品は、ヘッセだとか太宰治だとか村上春樹で、文章が割と読みやすいものなので、この作品は私とはあまり合わなかったけど、大きな学びを得られたので読んだことに対して後悔はしていない。

ちなみに私が嫌いな作品は星の王子様、グレイト・ギャッツビー(村上春樹訳)だ。好きな作品は斜陽、留学(遠藤周作)、深い河、春の嵐、だ。以上にあげた(好きな作品も嫌いな作品も)作品が好きな人がいたらぜひ何か作品を紹介してください。読みます。

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