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コロナのせいで薬師寺行けなくなった

奈良の方が京都より好きと言うと、大抵微妙な顔をされるか、「奈良なんてなんにもないやん」と言われるのだが、奈良には見るものがいっぱいあって140字には確実に収まらないので書く。

そもそも、「奈良なんてなんにもないやん」と言う人に、「なんにもないって何がないの?」と言うと、「映画館もないんやで」と言われるのだが、いや私がわざわざ関西に映画見に行くわけないやろ、アホちゃう?と思うところである。(一応さっき調べたら、奈良市にはほんとに映画館ないらしい。橿原市とか大和郡山市にあるそうだ。)

というわけで奈良のいいところを書く。でも悪いところもあると思うので、それも書く。

【いいところ①】古いものは奈良にある

古いものは奈良にある。京都の有名なものって大体室町時代とかじゃないですか。あと、古い「秘仏」みたいなのは京都だと30年に1回とかしか公開してくれない。出し惜しみするな、と思う。

【いいところ②】すごい物なのにガラスケースに入ってない

奈良のいいものは「すぐそこ」に生身で存在する。広隆寺の弥勒菩薩像にキスしようとした京大生が仏像の指を折ってしまった、という謎のエピソードがあることは有名だが、奈良の国宝級仏像は本当に手を伸ばしたら触れる距離に存在している。めちゃめちゃ贅沢。興福寺ミュージアムの阿修羅ですらケースに入ってないから、やる気になれば触れるし、誰かにペンキかけられたりしないかと心配になる。

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【いいところ③】観光客が少ない

鹿の周りにしか観光客がいないので、煩わされることがほとんどない。流石に大仏の周りは結構人がいるけれど、東大寺の戒壇堂とか三月堂(法華堂)とかは、国宝が何体も触れるくらい近くにあるし、なんか座って休める段みたいなのと扇風機があるのに、人がいなさすぎるので最高である。三月堂は中に監視員すらいない。狭い室内に人間は自分ひとり、国宝の数の方が多い、という京都や東京の美術展ではなかなかできない貴重な体験が奈良ではできる。

【いいところ④】電車でどこへも行ける

京都ってすごく都会だけれど、南北間の電車移動が困難なのが個人的にはかなりのマイナスポイントになっている。その点奈良は電車に乗れば目ぼしい観光地はどこでも行けるので、旅程がある程度雑でも耐える気がする。

【いいところ⑤】ホテルが安めで予約が取りやすい

人が少ないからだとは思うが、紅葉シーズンでも比較的安くギリギリまで取れた気がする。京都からもそんなに遠くないし、京都旅行の宿を奈良に取るのもあり。


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↑これは、年2回の開帳期間中の法隆寺夢殿の様子。フェノロサと岡倉天心が見つけた救世観音像が見られる機会ということで行ったところ、ほぼ誰もおらず、中を見てたおばさんが「なんか汚いやついる」って言ってた。可哀想すぎる。


【悪いところ①】名産品がジジくさい

奈良で柿の葉寿司食べるよりも京都で辻利の抹茶パフェ食べたい!という気分になる。ご飯とかお土産は京都の方が明らかに充実している。(私にとっては京都の食べ物はちょっとお高いなーと思うので、そんなに気にはならないが、さすがに京ばあむは捨てがたいので新幹線に乗る前に買っちゃう。)

【悪いところ②】拝観料が高い

先述した東大寺では、大仏見るのに600円、戒壇堂に600円、三月堂に600円払うことになる。全部で1800円は普通に高いなあと思う。鹿に餌やってる人から一律200円取って、戒壇堂と三月堂は300円にしてほしい。多分今より儲かるので。ただ、「いいところ③」で書いた通り、人が居ないのが良さなので、拝観料をある程度高くした方が需給のバランスとして良いのかもしれない。しかし、せめて500円以内にならないかなあとは思っている。

【良くも悪くもないところ】一人旅以外で楽しむの無理そう

仏像と自分だけ、という状態に「浄化」されるので、真横に衆生がいたら感動が半減されるのでは?という偏見がある。実際、歩く距離も長いし、おいしいグルメは少ないし、撮影禁止かつ「静かにしましょう」みたいな場所が多いので、みんなでワイワイ行く旅行としては選ばないかなあ、と思う。個人的には、日々の人間関係とか課題とかその他諸々から逃亡して行く場所、みたいなイメージが強い。


以上色々と書いたが、まだ人生で3回しか奈良に行ったことがない(修学旅行+1人+1人)ので、また行きたいなあと思っている。薬師寺の東塔の修復が終わって今年は6月に行こうと思ってたのに、戒壇堂も改修始まっちゃうよ、という感じだが、1300年前とかからある古都なので、まあ1年2年行かなくても様変わりはしないはずである。

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