祈り
松坂屋の展示、今日で最終日となりました。
今日は普段活動している内容よりも、より個人的なお話をしたくなってしまいました。
昨日、私の展示作品を見に来てくださった方に思いがけず遭遇して、作品の意図や想いまで直接お伝えさせて頂くことができました。
時間も限られていたので矢継ぎ早に、ざっくりと概要をお伝えしたのですが、そんな中でも、とても嬉しい言葉をかけていただきました。
「作品から、出水さんの祈りを感じました」
なんだか言葉であらわせない、とても深いところで
何かを感じ取ってくださったのが伝わってきて、思わず抱きついてしまい、目は潤んでいました。
私は花とどう向き合っていくのか。
活動をはじめるずっと前、花を学び始めた頃からずっと、心の中で葛藤があります。
そもそも私たちは命を頂戴してお仕事をしているのです。
植物は動物のようには動かないし鳴かない。食べ物のように体に取り込む訳でもないから、そう感じる方は少ないかもしれません。
だけど、事実としてそうなのです。
命を扱う以上、真剣に、その一輪一輪と向き合いたい。
その気持ちがずっと強くあります。
その花が、人の手によって生産されて、誰に届くこともなく捨てられていく。
その理由は様々で、時としてそれが必要なこともわかっています。
(大事な部分なのでこれについてはまた詳しく書きたい)
わかっているからこそ、葛藤し、今のこの形になっています。
今回の松坂屋 410周年 アート作品は、
私なりに花と対峙して色んな想いを持って制作しました。
花からしてみたら、花屋で売られようが、ドライになろうが、捨てられようが、アートになろうが、全部一緒のことなのかもしれません。
私が私を納得させるために、花を利用させてもらっているのです。
それを理解した上で、どうしたら花の美しさやパワーを魅せることができるのか。どうしたら誰かの心にこの花たちを届けることができるのか...
それは祈りに近い行為だったのかもしれません。
これからもずっと葛藤はしながら、試行錯誤していくんだと思います。
むしろ、この感覚を忘れてしまってはいけないとも思っている。
だからこそ、この方に戴いた「祈り」という言葉が
すっと心に染み込んで、励まされました。
彼女だけに限らず、今回たくさんの方が見に来てくださり、感想やコメントを戴いて私自身とても驚いています。
少なくとも、何人かの心に何かを届けることができたということが
これからの励みになることは間違いなく。
アートの力 を垣間見たというか
つたないながらも、もっと表現していきたいと思いました。
本当に皆様たくさんの応援ありがとうございました!
あと数時間で会期は終了。
閉館後に作品を撤収しに行って来ます。
もしお時間ある方はぜひお立ち寄りくださると嬉しいです。
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