『共感』(詩)
あなたと目を合わせて
あなたの肌のぬくもりで
あなたのことばのかたちで
あなたの街の振動で
僕はあなたをつくりたい
僕はあなたの島をつくる
僕はあなたに旅をさせる
あなたが初めていちごを食べた
帰り道のあなたが石を蹴飛ばしている
夕焼けにあなたが僕を看取る
僕の島であなたは移動する
あなたは薔薇の匂いをしている
あなたは朝の声をしている
あなたは赤い服を着ている
僕たちのメトロノームは少しずつ引き合っていく
部屋のノイズが僕たちを浮かび上がらせる
僕たちの境界はなめらかな波を打って
僕たちの島をつくる
【この詩の参考にした論文】
『共感を創発する原理』(大平英樹・エモーション・スタディーズ 第1巻第 1 号 pp. 56─62(2015))
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