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日々是暴食★トラウマめし【第2食】 専門店のモモと異国のカツ丼
水牛のチベット風餃子
桃じゃなくて、モモ。チベット風の餃子のこと。前回も書いたが隣接するチベット文化が融合しているため、ヒンドゥー教徒の多いネパール人もチベットの食べ物は大好き。しかし教義的に神である牛や不浄とされる豚は食べないため、自然と彼らが好む肉は羊や山羊、鶏肉となる。
しかし、同じ牛でも〝バフ〟と彼らが呼ぶ水牛はOKらしい。同じ牛じゃん、とツッコみたくなるがそこらへんは長い歴史で折り合いをつけてきたのだろう。現地には水牛の焼肉屋もあるくらいだ。
そんなバフ肉を用いたモモの専門店で人気なのが『ニューエベレストモモセンター』。タメル地区の北のはずれにあり、中心部から徒歩で10分ほど。店の前の広い道を横切る時に車やバイクに轢かれないよう気をつけよう。
渋滞が日常的に起きるカトマンズ市内では、クラクションを常に鳴らしながら爆走する車やバスが多い。「俺は気をつけろって音を鳴らしているんだから、轢かれる方が悪い」という論理なのだ。
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『ニューエベレストモモセンター』はモモ専門店なので、それ以外のメニューは無い。亀戸餃子のようなストイックさがいい。
やや小ぶりで丸い形をしたモモは5個や10個単位で販売しており、昔は日本円で10個80円くらいだったが今は値上がりしているらしい。店内飲食も持ち帰りもOKだが、スープが特徴的なので店で蒸し上がりを熱々で食うのがオススメ。スープはヨーグルトっぽい酸味とハーブが効いている。バフ肉にも香辛料が効いているが、割とあっさりとそた味わいで実に美味い。男性なら10個はするっと食えるはず。
ちなみにテーブルには水差しがあって、口をつけずに直で水を飲むシステムだが日本人が飲むと腹壊すのはほぼ確実なので大人しくコーラを飲もう。
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スパイスの効いたカレー味のツケだれで食べることの多いモモだが、この店はかなりオリジナル。安価だしハマる人も多く、現地の人も通う人気店だ。日本のカレー屋に入ってメニューにモモがあるなら、そこの店員はネパール人だと思ってほぼ間違いない。インドではあまり食べられていないからだ。美味しいのでぜひトライを。
ネパール最古の仏教寺院にお参り
夕飯までに腹を空かせておこうと思い、スワヤンブナート寺院に参拝することにした。小高い丘の上に巨大な仏塔が建つ有名な国内最古のチベット寺院で、参拝方法するには階段で登るしかない。
体重100キロ超えのデブには辛い。汗だくになりながら途中で何度も休憩し、山国育ちで健脚なネパーリーたちに笑われながらなんとかのぼり切ることができた。
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ややガスってはいたが眼下にカトマンズの街並みが広がる。まあしかしボロボロなこと。大地震で崩れた歴史的建造物も多いが、彼らは粘り強く建物を改築しながら生きている。ヒマラヤに囲まれた盆地のとてもとても古い街でカトマンズ市民たちはヒンドゥー神々やブッダに見守られながら日々の営みを続けている。そんなところが好きだ。
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レベルの高いカトマンズの和食
階段往復でものすごく疲れてしまった。タメルの宿近くに戻りビールが飲める店を探していたら、日本食レストラン『NAGOMI』さんを見つけた。何気にカトマンズの和食は店の数も多いしレベルも高い。
地球の歩き方に載ってる評判の店が現地に行ったら潰れてた、なんて話はよくあるが今はGoogleナビで点数や口コミも調べられるから便利だ。
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『NAGOMI』さんは日本語表記もあるし、座敷があるなど全てに日本風が貫かれかなり頑張っている。応援したくなる。とりあえずビールを注文し、焼き鳥とカツ丼をチョイス。寿司や天丼もあるがここは無難にいこう、肉なら火が通ってれば何でも美味いはずだ。
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やってきたのはやや甘めなてりやきソースっぽいタレのねぎま。うん、いけますよ。300円くらいだと思う。
そしてかつ丼が当たり! ちゃんと半熟の玉子で豚肉のかつをとじている。そして漬物がいい。やや酸味のあるきゅうり、にんじん、大根のぬか漬けが素晴らしいクオリティ。
日本人オーナーが経営なのかと思ったが、厨房には鉢巻を巻いた屈強なネパール男性しかいない。看板娘だろうお姉さんに「ミトチャ(美味しい)」と伝え「記念に、記念に」と訳のわからないお願いをして写真を1枚撮らせてもらった。怪しい日本人だったと思うが数年ごしに店の宣伝をすることができたよかった。いつかまたカツ丼食いに行きます。
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続く
【写真・文】バーガー菊池
岩手県出身。花巻東高校卒。 実話ナックルズ編集部在籍の編集者。不良からエロまで何でもやります精神の何でも屋。注射を打ちながら毎晩暴飲暴食を繰り返すハゲ巨漢。