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中年男性は武勇伝を語るのを今すぐやめてください!これをやったら嫌われる「キモいおっさんのキモい言動&行動」を解説します【中村淳彦の名前のないコラム】

40歳を過ぎてもイケてるつもりの自覚なき中年男性が増えています。お金があってもオシャレをしても、おじさんはおじさん。オヤジはオヤジ。どう頑張っても若い子たちからは「キモい」と言われてしまうのが悲しいけれど現実です。では我々おじさんたちは、どんなことに気をつけて生きていけばいいのでしょうか?

 ノンフィクションライターの中村淳彦です。
 息子が高校3年生のときにPTAをやったんですね。そのときに知り合った同学年のお父さん、お母さん、ママ友って言うんですか、ママ友のランチみたいなのに誘われて行ってきたんです。
 息子が行った私立高校が少しだけ特殊で、上級国民みたいな子供が多い高校で、そこでPTAやる人がなかなか平均よりも上な方々ばかりだった。半分遊びみたいなもので、上流の方々とは仲良くできたけど、ひとつだけ、僕が力説したことがあったんです。
 PTAやっているお父さんとかお母さんは同年代。40代後半から50代前半ぐらいの勝ち組の人たちが集まって、その人たちがPTAで子供たちになにかしよう、みたいな企画会議があった。我々はもう社会に出て20年とか30年経っている、人生の先輩である我々が子供になんかを教えよう、教えてあげようみたいな企画を立てだしたことがあった。
 そのとき、僕は初めて口出ししました。Z世代の子供たちに40代後半と50代前半の人は、本当に、壮絶に、信じられないぐらい嫌われている。「親世代の40代後半が子供たちになにか教えるって企画は、100%成り立たない、絶対にやめた方がいい」って言ったんですね。
 勝ち組のお父さんとお母さんたちは、挫折知らずまで半世紀の間ずっと社会の上層で生きてきた。友達とか、日常的に接する人はみんな上級国民だと思うんですよ。そういう方々はキャリアを積み重ねて社会貢献もして収入も高い。だから自分たちが若い子供世代からバカみたいに嫌われているってことを、まったく知らないんですね。
 40代後半のおじさんが、若者たちからいかにゴミみたいな扱いを受けているかってことをお父さんとお母さんに説明した。まあ理解はしてないでしょうが、そういう現実があるのは察してくれて、親世代が子供たちになにかをしてあげるみたいな案はボツにしてもらいました。

 僕は昭和47年生まれの団塊ジュニア世代で、同年代の人たちで、自分がおっさんになったと気づいてないで、まだまだ若者のままみたいな人がけっこういる。Z世代の若い子たちからは総じて「キモいおっさん」「おぢ」って呼ばれてるんですけれども、キモい自覚がない人が膨大にいる。
 実話BUNKAタブー2023年5月号に「Colabo仁藤夢乃さんに『キモい』と言われても仕方ないキモいおっさんのキモい行為&言動」っていう特集記事がありました。ここからこの記事を取り上げてみようと思います。

素晴らしい雑誌です

●女の趣味に男の影響があると決めつける

 車とかプロレスとかロックが好きとか、女性の方がいうとおっさんは「彼氏の影響でしょう」みたいなことを言ったりする。それは、まあ気持ち悪いようですね。

●ダメ出しやいじりでコミュニケーションが取れてると勘違い
●男は論理で動くけど、女は感情で働くみたいな受け売りの女性論を語る


 それで次のページにいくとですね。

●おしぼりで顔を拭く

 あ、これはね、僕もやりますね。

●ディズニー好きアピール
●プロレスたとえ
●白髪隠しのために金髪に

 僕も白髪ひどいので、白髪染めしているけど、確かに、金髪にしている人は気持ち悪いですよね。地方に行くといますね。

●若い女子にちゃん付け
●未婚女性に結婚について聞く&既婚子なしの女性に子供について聞く

 ここは僕やっているかもしれないですね。微妙なのですね。

●自分はおっさんだからと自覚あるふりをして否定されるように促す
●生理に理解がない
●子供と動物に偉そう

「偉そう」ってどういうことかな? ちょっと読んでみますね。
「普段は常にペコペコして人の顔色をうかがっているくせに、自分より弱い生き物にはとことん高圧的」
 
なるほど。そういうオッサン、めちゃめちゃたくさんいますね。女性&子どもだけでなく、動物にも偉そうにするんですね。症状が重すぎて末期的ですね。

●店員にタメ口
●生理に理解があるアピール
●映画と音楽の話で饒舌になる

 オッサンにローリングストーンズとか、熱く語られたら嫌ですね。うん、最高に嫌ですね。

●レジ袋を持ち歩いている
●声がいちいちデカイ

 声がでかいオッサン──もう、嫌ですね。

●自画撮りアイコン
●ツーブロックでビシッと髪型を決めている

 えー、これダメなのか。なるほど、なるほど。

●素人JKのTiktokを見るのが好き
●フェミニズムを敵視
●頼んでないのにアドバイスしてくる

 これはね、最高にまずい。オッサンのアドバイスだけは本当に勘弁して欲しい。迷惑でしかないですね。

●恋バナしかしない

 介護関係の友達で、中年童貞の恋バナしかしない友人というか知り合いがいた。好きな曲がアルフィーの「恋人たちのペイヴメント」と、サザンの「真夏の果実」で30年間以上、未来の恋人を想ってその2曲を聴き続けているという。面白がって未来の恋人の話しを聞いていたら、逆ギレされてブロックされちゃいました。プライドが高かった。

●フェミニズムを理解している風に振る舞う
●おっさんがキモいというのはヘイトだと主張する

 同年代ではあるけど、オッサンはキモい。僕も、オッサンは嫌でキモいって自虐を含めてそういうことよく言う。たまに、キレる人います。このオッサン、ガチでヤバイなと思って引いちゃいます。

●エスカレーターで1段開けずに女性の真後ろに立つ
●絵文字を多用
●食事の写真をLINEで送ってくる

 加えて「キモい以前に人としてヤバい」ってことで、「肥満」とか「ネトウヨ」とか「子供部屋おじさん」とか、あと「女性専用車両に座る」とか「ロリコン」とか「牛丼に紅しょうがを山ほど入れる」とか、「口が臭い」とか「キッズアイドルの撮影会が好き」とか、「ショートパンツ穿いてる」とか。まあそういうことが書いてありました。
 昨年出した『悪魔の傾聴』(飛鳥新社)はこういうキモいオッサンを想定して、とにかく「喋らない方がいいですよ」っていうことを書いた。ここでもね、やっぱりたくさん指摘されていますね。
 たとえば「知識量のマウンティング」とか、「先輩とか年上ぶってアドバイスする」とか、「偉そうに」とか。「会話にダジャレを挟む」とか、そういうことは、「自分の話をあんまりしないように」って気をつけるだけで避けられる。本当にオッサンになったらあんまり喋らない方がいい。
「武勇伝を語る」っていうことも指摘されている。武勇伝を語るまでいくと、結構症状が重い。自分がオッサンで気持ち悪くてものすごく嫌われてるっていうことを、まず肝に銘じた方がいいです。自覚ですね。

 どうすれば現実に気づけるのか。たとえば会社の若い子を相手にしても、オッサン上司に向かって「あんた気持ち悪い」なんて言わないだろうし、キャバクラとかに行っても、お客さん相手なので気持ち悪いと思ってもニコニコ我慢して話すだろうし。
 武勇伝語るオッサンに、「あなたはまずいですよ」って気づかせる場面がない。ものすごい気持ち悪いのに、自分はまだまだ若いと思っているし、自分はかっこよくて価値があるとか勘違いしていたりする。若者に敬意を払われて「みんな俺みたいに生きればいいのに!」みたいな勘違いをしてずっと生きていくとなると、なかなか厳しい人生になるでしょう。あまりにも哀れですね。
「自分がキモいおっさんだってことに早く気づきましょうね」ってことを僕が言っても、「なに言ってんだてめえ!」みたいな逆ギレされるだけ。でもね、みなさんは気持ち悪いので、気持ち悪いことを自覚して、気持ち悪い行動を1つ1つ潰して、ここで指摘されてるようなことをもうほとんどしない状態でようやく、普通に会話ができるスタート地点に立てる。

 僕は同年代の人たちには1人でも多く、幸せに生きていってほしいと思っているので、指摘されたところは、自分を振り返って、1つ1つ潰していくということを本当にお勧めします。
 武勇伝を語っている方がいたら、今すぐやめましょうね。生涯そういう発言をしないように気をつけましょう!

<著者プロフィール>
中村淳彦(なかむら・あつひこ)
ノンフィクションライター。無名AV女優インタビュー『名前のない女たち』シリーズ、『東京貧困女子。: 彼女たちはなぜ躓いたのか』、『悪魔の傾聴』などヒット作多数。花房観音との共著『ルポ池袋 アンダーワールド』(大洋図書)が絶賛発売中。Voicy「名前のない女たちの話」日々更新中!https://voicy.jp/channel/2962