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「整ったー」なんてほざくな 元来日本のサウナとは“汚”にまみれた逃げ場のない大人だけが入場を許される闇の場だった【ライター根本直樹の裏社会漂流記 その6】

これまで私は主に「社会の裏側」を取材し、記事にすることで糊口をしのいできた。その過程で見てきた、さまざまな「闇の景色」を点描してみたいと思う。今回のテーマは「サウナ」だ。
前回の記事はこちら↓

サウナブームが犯した“大罪”

 近年のサウナブームを苦々しい思いで見てきた。

「整う」などという気持ちの悪い言葉が流布し、「サウナ帽」を被ったトーシロたちがアホ面並べて「ロウリュウ」の順番待ちだ。メディアも趣味としての“温活”を盛んに煽る。自称“サウナー”連中のなかには、全国各地の“名店”を渡り歩き、SNSに感想や写真を投稿するという愚に及ぶ者も多い。

 元来日本のサウナとは、身も心も煤け、“汚”にまみれた、逃げ場のない大人だけが入場を許される闇の場だった。まともな人間なら入ることすら憚られる何かがあった。

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