ウソっぱちオーディションを開催し「ビンタ要求&ベロチュー強行」┃ヤスデ丸の裁判傍聴ファイル #11
映画オーディションを謳って集めた夢ある女性たちみだらな行為をした被告人。その"オーディション"の内容とは……
《女性が男性の頬を引っ叩く。その後、2人は激しくキスをする》
これはある脚本のワンシーン。B級メロドラマだとしても脈略のない意味不明な展開だが──。
それもそのはず、これは虚偽の映画のキャスト募集を行った、自称映画プロデューサー(50代男性・無職)の書き下ろし妄想脚本だったのだ(ガガーン)!
証人尋問にリモートで応答したのは、フリーランスで女優業に励む30代女性Aさん。某映画関連の案件サイトで目についた「俳優募集」の文字が書かれたいくつかのオーディションに応募し、やっと書類選考を通過したのがこのオーディションだった。
審査当日、指定された都内マンションの一室に居合わせたのは、被告人とAさんの2人のみ。
少ないながらも何度か参加したことのある過去のオーディション会場との明らかな違いに、「多少の気持ち悪さは感じましたが、やっと通過したオーディションだから、とにかく頑張ろうと思いました」とAさんは状況を語る。
"審査"がはじまってからの展開を、Aさんは怒りを堪え、とつとつと語る。
「演技審査では、待ち合わせに遅れる女性役を私が、相手の男性役を被告人が演じました。最後に、被告人は台本に書かれた通り『心配したんだよ』というセリフとともに、私の頭を抱き寄せました」
そして冒頭の"ビンタ&キスシーン"に続く。
いくらなんでもオーディションでビンタを本当にするのはおかしいと思ったAさんは、ビンタは“やるフリ”だけにした。
しかしその後のシーンで、被告人に強く抱きしめられ、無理やり口にキスをされ舌まで入れられたAさん(ウゲー)。
それまで漠然と感じていた不信感は、即座に恐怖心に変わり、Aさんは部屋を飛び出し友人に連絡。その後警察に被害届を出した。
実はこの“映画オーディションわいせつ戦法”は被告人の常套手段で、今回の逮捕はなんと5度目。
出ました、変態あるあるの強靭メンタル! ちなみに、“ビンタからのキス”というシーンは、これまでのオーディション事件で鉄板のシーンとのこと。被告人、相当の好きものらしい。
この際、ビンタをしたフリにはせず、一発どぎつい平手をお見舞いしたかったAさんかもしれないが、それも彼のご褒美になってしまうのかと思うと、なんともいたたまれない気持ちになる。こんなことなら、金的くらいしても良かったかもね。
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