日々是暴食★トラウマめし【第33食】インド鉄道のカレー駅弁
2日ほどコルカタをブラブラしてから寝台車でブッタガヤのあるガヤーへ向かうことにした。現地だと席が予約できるか不安なので、事前にネットで予約しておいた。
ランクによって値段とサービスが変わってくるが、自分は2A(エアコン有り2段ベッド)にした。自由席は安いが、インド人たちで押し合いへし合いのぎゅうぎゅう詰めなわけで、とてもじゃないが日本人が乗れたもんじゃない。2Aでガヤーまで4、5千円くらいだからケチらない方がいいだろう。
出発時間まで時間があったので暇つぶしに映画館に行ってみた。上映スクリーンや席が分からずウロウロしていると親切なお兄さんが案内してくれた。日本人がここへ来るのは珍しいそうだ。ダンニャワード!
インドはアメリカ以上の映画天国でアクション大作『RRR』が日本でもヒットしたが、他にも『きっと、うまくいく』や『バジュランギおじさんと、小さな迷子』など名作がたくんあって大好きだ。
適当にすぐ入れる作品を選んだが、「背の小さいさえない男がモデル級美女に恋をして、なんとかして口説き落とすためめちゃめちゃ努力する」というザックリしたストーリーで、言葉がわからなくても理解できた。
それにしてもインドの映画館で観る映画の楽しさは異常。主人公が歌って踊り出すと観客たちもノリノリで歌うわ、口笛ふくわ、踊り出すわで、映画館にくるだけでアトラクションを楽しんでる感じ。ぜひお試しあれ。しかし問題が上映時間が長いこと。2時間経っても全く終わる気配がなく、列車の時間がヤバいので周りにジロジロ見られながらお先に失礼することにした。
巨大なハウラー駅に到着。急いで映画館を出てきたおかげで少し時間があったので、食堂でビリヤニを注文。スパイスが効いていて美味しい。卵は硬ゆでだが腹を壊す恐れがないのでこれでいい。
そういえば、インドで注意するべきは食あたり。どんなに気をつけていても一回はお腹の調子を崩すのではないだろうか。そこで問題になるのがトイレである。不浄な左手でそのまま事後のケツをバシャバシャ水で洗うシステムは慣れないとキツい(慣れればむしろ衛生的なので平気になってくる)。インドではないが昔ネパールで地獄のようなトイレにぶちあたり絶望的な体験をしたことがあった。それに比べれば最近のトイレ事情は、少なくとも都市部ではよくなっているのではないだろうか。
列車は定時を過ぎて30分ころにゴトゴトと動き出した。思ったよりスピードが早い。Xなどで猛スピードの列車に人が轢かれるエグい動画が流れてくることがあるが、どんなことも全て大雑把なインドでは、ああいうこともあるんだろうか。
2A席はエアコンが効いていて快適。というより寒いくらい。食事もついてくるが、もちろんカレーだ。まずポットに入ったお湯とインスタントコーヒーのセットが配られるので自分で作って一息入れる。向かいのお父さんとは特に会話するわけではないが呉越同舟でカレーを一緒にいただく。
辛みの効いた何かの肉の入った赤いカレーと黄色い野菜カレーのセット。米に薄いチャパティもついてくる。インドの駅弁のようなもんだな。芋と何かの瓜っぽい野菜のおかずにヨーグルトもついていて満足。味はかなり美味い。食ったら寝るべし、車窓を流れるインドの大地を眺めながら2段ベットの上でガヤーまで数時間お休みなさい。
あっという間に駅に到着。時間は夜の9時頃、寒い……。リキシャに乗ってブッタガヤの中心部へ向かうが宿はとっていない。大丈夫だろと高を括っていたが、どこも満杯で泊まるホテルが見つからない。なんでも偉い高僧が明日ここで説法をするらしく、世界中からサンガたちが集まっているのだという。
困った、野宿するような装備はない。しかも野良犬と野良牛に追いかけまわされ惨めな気持ちになってきた。6軒目くらいのホテルで、今日1日なら空いてる部屋があるぞ、と言われて飛びついた。ありがたい。とりあえずまた寝よう。明朝はブッタが悟りを開いたところへ行く。
インド編<続く>