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日々是暴食★トラウマめし【第13食】ミャンマーのカレー風おかずとモヒンガー
仏塔が建ち並ぶ上座部仏教の街
2020年の年明けにミャンマーのヤンゴンに3日ほど滞在した。軍事クーデターが起きたのはその約1年後。現在も民主化デモや散発的な戦闘が起きており、外務省の海外安全情報ではミャンマー全土に危険度レベル2「不要不急の渡航中止」が出されている。残念ながら個人旅行へいま行くのは現実的に厳しい。
大変に残念なことだし、やるせない。私が訪れたのは「アジア最後のフロンティア」と呼ばれ外国企業が続々参入し、活気に溢れていたヤンゴンだった。しかし人は穏やかで、上座部仏教の教えが身近にある、とても穏やかな場所でもあった。良くも悪くも、長年に渡る軍事政権で経済発展が遅れたせいで、近隣の東南アジア各国からは消えてしまった牧歌的な空気が流れていたのが印象的。
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男女ともに「ロンジー」と言われる民族衣装の腰にまくスカートを履き、顔には「タナカ」と呼ばれる日焼け止めを塗っている。旧市街はボロボロで植民地時代そのままのコロニアル様式のアパートが立ち並ぶ。この雰囲気はキューバのオールドハバナにそっくり、好きなやつだ。高層ビルだらけのバンコクから、飛行機で1時間の距離にこんな街があるのが驚きだ。
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市内はギンギラな仏塔だらけ
そこら中に金ピカのストゥーパ(仏塔)が建っているのも特徴的。街の角角にある仏塔はいい目印になる。ミャンマーではこの仏塔のことをパゴタと言うそうだ。ヤンゴン中心部にあるスレー・パゴタはどでかかった。
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神聖な場所なので短パンやジーンズは禁止で、観光客はロンジーを着用しないといけない。これが着てみると涼しくて中々いいのである。南国の人の知恵だろうか、とても気に入って購入して何度か会社へ着てきたがコツを掴まないとストンと落ちてパンイチになってしまうのが難点だ。
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国民食のカレー味のおかず
さて、色々歩き回って腹がへった。ミャンマーの定番グルメといえば「ヒン」。ビルマ後でおかずという意味で、肉や魚をカレー風味に味付けしたものだ。庶民的な定食屋や屋台など、どこでも食べることができるが、油がものすごくギトギトで脂っこいことでも有名。腸が弱い人は腹を壊すそうだが、自分は運よく大丈夫だった。
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チキンのヒンには、豆の入ったスープとオクラやキュウリなど野菜の付け合わせ、それとよく分からない漬物みたいなのがついてきた。塩気が強くて米がすすむ。しかし汁が少ないため、カレーのようでカレーではない。カレー味のおかずでとにかく米を食う感じだろうか。これで1800チャット、約130円だから激安である。
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食事に関して、ミャンマーの物価はものすごく安い店と、ものすごく高い店が両極端なのが印象的。ローカルな店なら100円で飯が食える一方、外国資本のチェーン店などは日本と同じくらいの値段がすることも。胃が丈夫な人はローカルの店で食べまくるのが良いと思った。そちらの方が味も美味かったからだ。
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朝食の定番はナマズ出汁の麺料理
もう一つの有名な名物料理は「モヒンガー」だと思う。ナマズを中心に魚系の出汁をとり、レモングラス、ニンニク、バナナの茎などと一緒に煮込まれたスープはとろみがあり胃に優しい。麺はそうめんのような細さの米粉麺で、つるつるとした食感がとても良い。現地では朝食で食べられることが多いそうで、ホテルの朝食でも定番だった。二日酔いにも効きそうな優しい味で、とてもいい。
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日本一のミャンマータウン、高田馬場でも美味しいモヒンガーは食べれるが朝に提供している店は聞いたことがない。新橋あたりで早朝からやってるモヒンガー専門店ができればサラリーマンに流行りそうだがどうだろうか。立ち食いそばが発達している日本では厳しいか。そうか、モヒンガーは日本の立ち食いそばによく似ている。つるつるっと一杯やっつけて、今日一日の鋭気を養うのだ!
しかし、食ひとつとっても魅力的な国。返す返す軍事クーデーターを恨む。一刻も早く、一般旅行者が安全に渡航できる政情の安定と、軍部の暴走の停止を願いたい。
さて、ヤンゴンは夜も魅力的だった。
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ミャンマー編 続く
【写真・文】バーガー菊池
岩手県出身。花巻東高校卒。 実話ナックルズ編集部在籍の編集者。不良からエロまで何でもやります精神の何でも屋。注射を打ちながら毎晩暴飲暴食を繰り返すハゲ巨漢。