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もう「おぢ」になってしまったのに若い女性に絡んで「ありのままの自分」が受け入れられると思っている福祉ジジイの話【中村淳彦の名前のないコラム】

いまの日本は団塊ジュニア世代の中年男性にとってたいへん厳しい社会です。どんなスペックでも誰もが「おぢ」と認定され、若い女性には見向きもされません。そんな中年男性が「ありのまま」で婚活できるでしょうか? すべての中年男性はもう男尊女卑の時代が終わってしまったのを強く意識して、心を入れ替えましょう。

勘違いしたまま生きていくと、そのまんま朽ち果てますよ

 ノンフィクションライターの中村淳彦です。
「男性こそ男尊女卑社会の被害者」って、作家の花房観音さんが『中年婚活』を読んでそう言っているけど、それを聞いて僕がぼんやり思うのは、男尊女卑社会がずっと続いて、今の70代とか60代のジジイたちがもう散々、偉そうにして、好き放題やってきたことが、僕らの世代の、アラフィフの団塊ジュニア世代に返ってきてしまった。
 団塊ジュニア世代がアラフィフになる頃に社会の状況がコロッと変わって、年功序列がなくなって男女共同参画が叫ばれて、女性の社会進出を本腰を入れて加速していきましょう、となってしまった。オヤジはどうするの?っていう状態になってしまったわけですね。

  オヤジっていうのは情報が入ってこないから、男尊女卑で偉そうにして、あと外見もフォルムも気持ち悪いから誰も近づいてこないし、情弱になってしまうんですね。オヤジが情弱になって、バカにされるのみたいなのは、まあ仕方がないんだけど、僕が気づいたのいつだったかな、6年ぐらい前に気づいて、これもしかして大変なことになってんじゃないかみたいなことを思ったわけです。
 それで僕まずいよ、まずいよって同年代の男性に会うたびに、自分たちとんでもないことになる絶望の仮説をみんなに話したんだけど、5、6年前の40代半ばぐらいは、まだみんな自分がまだまだ若者だと思っていて、景気が悪くてなかなか仕事は辛いんだけど、俺たちはまだまだ若いし、それなりな幸せが永遠に続くと信じている感じの人がほとんどでした。これは、ちょっとまずいことになったなと思ったわけです。
 それがきっかけでYouTubeをちょっと始めて、YouTubeはちょっと色々難しいからすぐやめちゃったけど、同年代のオヤジたちに向けて、みなさん大変まずいことになっているよ、みたいなことを発言しはじめた。予想通り、この5、6年でもとんでもないことになっちゃいました。もう手遅れなんだけど、まあ予想通りの悲惨な展開が深刻に現在進行しているわけです。
  結局、「おぢ」っていう人間じゃないジャンルが作られた。だからいまの日本には人間と国民と、おぢがいるわけです。おぢ以外の人が人間と国民で、それ以外の人間じゃない人でおぢとなる。そういう社会になってしまったわけですね。

『中年婚活』が発売されて、大洋図書って弱小出版社だから、担当の編集者がなんかTwitterで色々つぶやいて、それを中村さんリツイートするとか色々協力してくださいみたいな、なんていうか手作業の広告みたいなことやっている。そうやって色々つぶやいていると、やっぱり変なジジイがからんでくる。もうどうしようもないジジイがいるなと思ってね。まあ呆れました。
 女性の婚活関係の方がこの本読んでくれて、「ありのままの自分で戦わない」っていうのを、本当そうですよねっていうことをつぶやいた。そうしたら職業福祉の偉そうな変なジジイが出てきて、俺はありのままで戦ってありのままの自分を妻に受け入れられた。だから、そんなくだらない本読む価値ないでしょうみたいなこと言いだした。
 さらに僕にまでリプしてくるから、なに言ってんだろうなと思って、ここで話しているわけです。

 あの福祉ジジイに妻がいて、ありのままの自分が受け入れられて幸せな生活しているのは大変喜ばしいんだけど、あなたね、その妻がいなくて、ひとりになって、福祉のハゲジジイがいまありのままの自分を晒して婚活やったら、誰ひとり相手にされないですよ。
 おぢなので、無理なんです。
 だから自分の身分をわかりましょうということを言っているのに、自分は奥さんが引き取ってくれて幸せな生活しているのはいいんです。奥さんがハゲジジイを引き取ってもらったのは大変素晴らしい。けど、いまあなた何歳ですか? ハゲてますよね? 何歳ですか? ありのままのおぢを誰が受け入れるんですか?

 おぢは自分に絶望して、どんどん自分のすべてを直していかないとダメだし、あと女性がこうやってつぶやいたことを、俺は違うなとかマウンティングして、絡んで相手にしてもらおうと、もうそういうカスさがね。男尊女卑丸出しの心みたいなのがもういま、ダメなんですね。ダメだってことがなんでわからないんですかね。ってことを言いたいわけですね。
 まあ、こういうネタやるとそういうジジイが湧いてくる。なので、このモテとか婚活はジャンルはなかなか厄介なんですよね。

 もう少し福祉ジジイの話続けましょう。そのつぶやいてくれた女性っていうのが美人の20代後半でしょう。Twitterでそうやってフォローしていちいちなんか絡んでいくってことは、まあ福祉ジジイは若い子が好きなんでしょう。若い女の子が好きだけど、あなたジジイだから若い女の子にそう絡んでもね、相手の女性は迷惑なんですね。
 それでここからは単なる想像というか傾向だけど、ジジイを引き取ったその妻がいないと想定して、ジジイがいまから婚活するんだったら、結婚相談所とかに入ったとします。あのジジイは、普通に28歳と結婚したいですとか言うでしょ。そうやって若い女の子ばっかりフォローして絡んで、迷惑ばっかりかけてですね、それで28歳の女の子に福祉ジジイが、熱い想いがあります、笑顔がいっぱいです、夢があります、絆が大好きですみたいなことを言って、結婚したいと思いますか? そんな人、日本にひとりもいないんですよね。
 そういうことわかりましょうってことを言ってるのが、なんでわかんないんですかね。呆れますね。

 福祉ジジイね、あなたね、おぢのくせにありのままで戦うんだったら15歳上の女性だったらいけますね。65歳の前期高齢者の女性だったらありのまま受け入れられて、幸せに再婚とかできるかもしれないけれども、まあ28歳は不可能として、50歳でしょ? 45歳とか44歳にいきたいんだったら、ありのままの自分じゃ無理です。AGAをやって、服装を整えて、心入れ替えて、神社で滝に打たれて、あと部屋を片付けたりも本当に心入れ替えてやって、清潔感を出して、あと男尊女卑の心を打ち消して、色々やることあるわけです。
 あなたね、その勘違いしたままで生きていくと、そのまんま朽ち果てますよ。ってことなんですよね。
 で、福祉ジジイね、あなたね、俺は地域で支援している素晴らしい人間とか思っているんだろうけど、そんなのね、公金にたかっている底辺のジジイじゃないですか。もう全部ダメだよね。全部ダメだってことをね、わかりましょう。

 ということを彼と直接Twitterでバトルはしませんが、ここで陰で言っときますってことでした。

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<著者プロフィール>
中村淳彦(なかむら・あつひこ)
ノンフィクションライター。無名AV女優インタビュー『名前のない女たち』シリーズ、『東京貧困女子。: 彼女たちはなぜ躓いたのか』、『悪魔の傾聴』などヒット作多数。花房観音との共著『ルポ池袋 アンダーワールド』(大洋図書)が絶賛発売中。Voicy「名前のない女たちの話」日々更新中!https://voicy.jp/channel/2962