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酒井透

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(さかい・とおる) 東京都生まれ。写真家・近未来探険家。 小学校高学年の頃より趣味として始めた鉄道写真をきっかけとして、カメラと写真の世界にのめり込む。大学卒業後は、ザイールやパ…
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#祭り

【写真家・近未来探険家 酒井透のニッポン秘境探訪】埼玉県秩父市の「ジャランポン祭り」

死者が一気飲みで泥酔する  埼玉県秩父市の下久那地区でとっても痛快な祭りが行われている。その祭りの名前は『ジャランポン(別名:葬式祭り)』。  長年、3月15日前後の日曜に行われているこの祭りは、すべてがテキトーだ。”生きている人”を”死者(生き仏役??)”に見立てて、大僧侶役のおじさんがお経をあげる。ところが、このお経はデタラメ。まったく何を唱えているのか分からない。伴僧役の人たちが叩く鐘や太鼓の調べもイイカゲン。位牌もあるが、戒名は『悪疫退散居士』というフザケタもの~

【写真家・近未来探険家 酒井透のニッポン秘境探訪】古河市高野の「ろうそく地蔵尊」

300年続く奇祭  茨城県古河市に『奇祭中の奇祭』と呼ばれている祭りがある。8月23~24日にかけて古河市高野の高野八幡宮で行われている「ろうそく地蔵尊」がそれだ。  この祭りがピークを迎えるのは、初日の午後8時頃。硬い石で作られた地蔵は、紅蓮の炎に包まれ、その周りは、ろうそくの炎が発する熱の影響で灼熱地獄になる。ろうそくに火をつけている世話役の人たちの額からは、幾状ものの汗が滴り落ちている。でも、この地蔵は、何を語ろうともしない。ひたすた”耐えて”、”耐えて”いる。世話