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酒井透

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(さかい・とおる) 東京都生まれ。写真家・近未来探険家。 小学校高学年の頃より趣味として始めた鉄道写真をきっかけとして、カメラと写真の世界にのめり込む。大学卒業後は、ザイールやパ… もっと読む
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2024年4月の記事一覧

【写真家・近未来探険家 酒井透のニッポン秘境探訪】コンゴのルンバ王『パパ・ウェンバ』

 2016年4月24日、西アフリカ コートジボワールの最大都市であるアビジャンで行われていた音楽祭の公演中に倒れ、その後、病院で亡くなった歌手のパパ・ウェンバ(享年66歳。死因は、心臓発作)が死去してから8年という時が流れた。  今、彼の死を悼む声が世界中からあがっている。同年に発売された追悼盤は、8年経った今も売れ続けている。  パパ・ウェンバは、1970年代のザイール(現在のコンゴ民主共和国)の音楽シーンに革命を起こしたミュージシャンだ。ジャン・ポール・ゴルチェやマリ

【写真家・近未来探険家 酒井透のニッポン秘境探訪】鹿児島県沖永良部島の交通事故が多発する『アーニマガヤのトゥール墓』

 鹿児島県の鹿児島新港からフェリーに乗って南下すること約17時間半。奄美群島の南西部に位置する沖永良部島の中央部に奇妙なスポットがある。  地元の人たちによると、アーニマガヤのトゥール墓付近では、雨が降ると交通事故が多発するという。和泊という集落で暮らしている男性は語る。 「実を言いますと、あそこは島で最も注意しなければいけないところなのです。道路のすぐ下にはトゥール墓(横堀り式墓)があります。その昔、このトゥール墓には亡くなった人の遺骨が納められていました。どういうわけ

【写真家・近未来探険家 酒井透のニッポン秘境探訪】軍艦島のお隣、中ノ島の『忘れられた火葬炉』

 2015年に「明治日本の産業革命遺産」の構成資産の一部としてユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界文化遺産に登録された軍艦島(長崎県長崎市・端島)。その北側約0.8キロの海上に中ノ島という島がある。軍艦島を目当てにやって来る観光客にとっては、〝まったく興味のない島〟だが、この島は、軍艦島と切っても切れない”縁”がある。  驚くなかれ、島内には、2基の火葬炉が残されているのだ。どちらも煉瓦造りのもので、軍艦島で亡くなった人たちは、この火葬炉で荼毘に伏されていた。軍艦島閉山後

【写真家・近未来探険家 酒井透のニッポン秘境探訪】栃木県宇都宮市の性文化を集めた博物館『性神の館』

 1975年8月1日に開館した「性神の館」(栃木県宇都宮市)が突然閉館してしまった。館内には、日本はもとより世界中から集めた性に関する貴重な資料が展示されており、その中には、学術的価値のあるものも含まれていた。  三角屋根の建物は、那須高原などのリゾート地にあるペンションを思わせるような趣を持っている。ところが良く見ると、普通のペンションにはないものがある。入口にあるのは、巨大なま○こ岩。その前にある太鼓橋の脇には、ち○こを模した石碑が鎮座…。巨大なま○こ岩は、栃木県那珂川