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2024.04.22 写真の力

10代のころ、写真を撮ることが好きで、一番ほしいものは一眼レフだった。目に映るものを記録できるのは楽しいし、カメラを構えていればわたしは撮影されない。10代のわたしはいろいろ拗らせており、写真を撮られることが好きじゃなかった。

写真にはまっていた当時、祖父から曽祖父(祖父の父)が撮影した写真のアルバムを見せてもらった。曽祖父は明治39年生まれ、頭がよく、手先がすごぶる器用な職人だった。どうやら彼は、庶民がカメラを手にできるようになって間も無く、ミノルタの二眼レフを買ったらしい。そして改造して撮影可能枚数を増やし、家に暗室まで作ったとか。

そんな曽祖父のアルバムを、最近また見る機会がある。見てみると、わたしが撮る写真と曽祖父が撮る写真は構図といい光の感じといい、よく似ている。そして、曽祖父の写真には、戦前の日本の景色や、ありふれた家庭の姿が写っている。

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