作るお菓子別 クーベルチュール・チョコのカカオ配分の選び方
バレンタインはもちろん、クリスマスやバースデーなど、チョコレートを使ったスイーツ作りをされる方は多いのではないでしょうか。
そこで迷うのが、材料として使うクーベルチュール・チョコレートのカカオ配分量。一体何%のものを選べばいいの?と、私も製菓店で悩んだ経験があります。
そんな私と同じ悩みを持った方に向けて、ここでは作るお菓子別に、相性のいいカカオの配分をご紹介したいと思います。
クーベルチュール・チョコレートとは
クーベルチュール・チョコレートとは、世界で流通する食品の安全を確保するために発足された、日本を含む188カ国とEU(※2022年2月13日時点)から成るCODEX(コーデックス)委員会で定められた規格内の、製菓用チョコレートのことです。市販されている、そのまま食べられるチョコレートと違って添加物の含有量が少ないため、加工しやすいのが特徴です。
クーベルチュール・チョコレートのための、国際規格があるなんて、ビックリですよね。ただ、こういった基準がないと、体に害のある食品添加物や香料などを混ぜた、「チョコレートのようなもの」が出回ってしまうんでしょうね。世界で食の安全基準を定めてるってすごいですよね。
ちなみにカカオバターというのは、カカオ豆からとれる脂肪分のこと。シアバターやココナッツオイルなどと同じ、天然の植物性油脂です。カカオ豆って、その約半分が脂肪分なんですって。そして無脂カカオ固形分というのが、カカオバター以外の、カカオ豆の種子内部(カカオニブ)を発酵、乾燥、焙煎し、すり潰して作られたカカオマスなどのことを指します。
カカオの配分量で何が変わるのか
カカオの配分量とは、チョコレートに対してカカオ由来のものが何%含まれているかを示します。つまり、先ほどのカカオバターや、カカオマスなどの固形分がどれだけ含まれているのかということを量っているわけです。
カカオの配分量と一言でいっても、本来はカカオバターの量が多いのか、カカオマスの量が多いのかによっても味わいが異なります。
なぜなら、カカオバター自体は無味無臭に近く、どちらかというと口溶けを滑らかにするために配合されるものなので、渋味や苦味の強いカカオマスの配分量が多い方が、味や風味に影響を強く及ぼすためです。
そのほか、栄養成分の観点では、カカオの配分量が多いハイカカオチョコレート(一般的には70%以上)の方が、血圧低下や便秘解消につながるポリフェノールやカカオプロテインの含有率が高いため、健康志向の方に好まれています。
代表的なクーベルチュール ・チョコレートの種類
カカオバターやカカオマスの配分量や、そこに乳成分を加えたか否かなどで味に違いをつけたクーベルチュール・チョコレートは、大きく以下の3つに分けることができます。
スイートチョコレート
乳製品が入っていない、主にカカオ配分量40〜60%くらいのチョコレートのこと。約60%を超えると、ビター(ダーク)チョコレートと呼ばれます。ハイカカオブームの煽りを受けて、90%の含有率のものも市販されていて、苦味が強いのが特徴です。
ミルクチョコレート
全脂粉乳や脱脂粉乳などの乳成分を加えた、クリーミーでまろやかなチョコレート。
ホワイトチョコレート
カカオマスを含まず、カカオバターと糖分、乳成分だけでできたチョコレート。色は白く、甘味が強いのが特徴。
作るお菓子別 おすすめのクーベルチュール・チョコレートのカカオ配分量は何%?
ガトーショコラには
少しふんわりとした食感のガトーショコラには、カカオ配分60〜70%の香り高いクーベルチュール・チョコレート(ビターやダーク)を使うのがおすすめです。ガトーショコラ自体は少しビターな大人の味に仕上げ、最後に生クリームを別添えすることで、味をさらに調整しながらいただくのが個人的には大好きです。
ブラウニーには
ねっとりと濃厚なチョコレート感の強いブラウニーには、カカオ配分50~60%のクーベルチュール・チョコレート(スイート)がおすすめです。ぎゅっと詰まったブラウニーは、苦味よりも甘みが強い方が最後まで美味しくいただけるのではないでしょうか。
トリュフやガナッシュには
なめらかな口溶けが大事なトリュフやガナッシュには、カカオ配分40〜50%くらいのミルクチョコレートがおすすめです。もしビターチョコレートがお好みで、カカオ配分量の高いものを選びたいという場合は、生クリームの量を少し増やすなどして、調整をすると、使いやすいと思います。
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