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投資に関する不都合な真実「投資はギャンブルですか?」

文章がダラダラと長過ぎる上に結論がわかりにくいとのご意見を頂戴したので、まずは結論から箇条書きで。

1.リスク資産投資はギャンブルではない。
2.ギャンブルはマイナスサム、株式投資はプラスサムゲーム
3.FXや外貨預金を勧めてくるヤカラは詐欺師か無能のどちらか。話を聞く価値なし。
4.為替取引で儲け続けるのは無理

本日のまとめ

1.リスク資産投資はギャンブルではない。


リスク資産(=株式、債券、不動産等)への投資はギャンブルとは明確に異なります。「ギャンブル」の定義を「偶然性に左右されるゲームで金銭を賭けて勝ち負けを争うこと」とした場合、投資とギャンブルに共通点が多いのは確かです。しかし、買った瞬間に50%の損失がほぼ確定する宝くじは論外としても、ケイリン、競馬などの公営ギャンブルは、胴元が搾取するテラ銭が20〜25%と法外で、リターンの期待値は大きくマイナスです。

2.ギャンブルはマイナスサム、株式投資はプラスサムゲーム

それに対し、リスク資産のリターンの期待値はプラスであり、ギャンブルとは全く性質が違うゲームです。念のため「期待値」の計算は「起こり得る事象×確率の合計値」、教科書的にわかりにくく表現すると「確率変数のすべての値に確率の重みをつけた加重平均」です。

宝くじを例に取れば、チャンスセンターで宝くじを1万円購入するヒトが得る報酬の期待値は、5000円を少し下回るぐらいとなります。つまり、そういうヒトは売り場で1万円札を千円札10枚にくずしてもらい、5枚をすぐさま隣のドブに捨てるのとほぼ同じ行為をしているってことです。

テラ銭を取られるこうした(ケイリン競馬宝くじ等の)ギャンブルは、期待リターンがマイナスとなる「マイナスサムゲーム」といいます。対して、株式投資のリターン期待値はプラスであり、ゲーム参加者の全てが儲けることがあり得る「プラスサムゲーム」です。

3.FXや外貨預金を勧めてくるヤカラは詐欺師か低能のどちらか。話を聞くな

ちなみにFXはゲーム参加者の利益の総和がゼロとなる「ゼロサムゲーム」ですから、アナタの儲けは誰かの損、ゲーム参加者による利益の奪い合いがその本質です。したがって、外国為替市場の他の主要プレーヤーを安定的に打ち負かせる根拠と確信のないアナタは決してFX取引でお小遣いを増やそうなどと考えてはいけませんよ。後期高齢者らしき方々を出演させ「ドル上がったからキュンです」などと歌わせるDMM証券のFX取引のテレビCMは巨額の金融資産を抱え込む高齢者をターゲットとした限りなく詐欺に近いビジネスへの誘いいざないなのではないかと心配でなりません。(詐欺だとは言ってない)

どんなにビシッとスーツを着こなして頭良さげで笑顔が素敵な営業マン・ウーマンだったとしても、アナタにFX取引や外貨預金を勧めて来るヤカラがいたとしたら、そいつは詐欺師または詐欺的な商取引を平気で顧客に推奨できるモラルのない営業マン、あるいは、FX取引や外貨預金の危険性と低収益性に気づかない無能な営業担当者ですから、すぐに電話を叩き切ってください。5秒以上かれらの話を聞くのはあなたの人生の時間の無駄遣いです。「外貨預金」は為替取引のリスクに加えて、とてつもないスプレッドを抜かれる詐欺的な商品です。手を出してはいけません。

4.為替取引で儲け続けるのは無理



為替レートの動向を正しく予想するのは不可能、じゃないとしてもとてつもなく困難ですし、そもそも為替レートが決まるメカニズムについてすら決定的な理論は確立されていません。長期的には購買力平価=二国間の購買力の格差がなくなる水準に為替レートは収束するという説が成り立っているといわれますが、「購買力平価」以外にも2通貨間の金利差や、資本収支、経常収支などのフローに着目するアプローチなどなどいろいろな理論で為替レートを予測・説明しようとする試みがこれまで盛んに行われて来ました。しかしこれまでのところ、安定的に高い精度で為替レートを予測できるモデルは見つかっていません、おそらく。年収数千万円~数億円を稼ぐインターバンクのディーラーでも、何年、何十年と勝ち続けるヒトはいません、たぶん。長期的に個人資産を増やすつもりがあるならば、FX取引には手を出さないほうがいいです。レバ25倍で、ドル円のポジションを限界まで積み上げて、米雇用統計の発表を待つあのヒリヒリ感がタマラナイ!などと感じるヒトは、それ多分ギャンブル依存症という病気です。一刻も早く治療を受けてください。「勝率90%!少額資金で、初心者でも毎月XX万円稼げるFXシステムトレード!」なんてのはJAROどころか警察通報レベルの事案だとおもいます。


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