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資料作成の進め方3ステップ

本日は資料作成の進め方の3STEPについて、お話し致します。

いきなりパワーポイントを使って資料作成をしていませんか?上司にレビューをもらう時に変更や作り直しが多くて困ったことはありませんか?もちろん、100%うまくいく正解の進め方なんてものはありませんが、早く(≒作成スピードだけではなく、確認・承認などの手間も少なく)、上手く(≒デザインだけではなく内容に説得力がある)資料を作ることができる考え方を解説いたします。

1|資料作成の3ステップとは

結論から申し上げますと、資料作成は以下の3ステップで進めます。

資料作成の3ステップ

言葉の使い方は会社・人によってもかなり差がありますが、おおむねスケルトンは『骨子』。ドラフトは『下書き』『たたき台』『草案』と呼ばれることが多いです。

2|スケルトンを記載する

まずはじめにスケルトンです。スケルトンとは全体構成を考え、各スライドのタイトルや流れを検討していきます。具体的には以下の4つを書き出していきます。

<スケルトン段階で記載する事>                    ・資料のタイトル                             ・各スライドのタイトル                        ・各スライドの概要                             ・ページ数

まず、資料タイトルつまり件名は絶対に必要とお考えください。件名は資料のまさに名前であり、物・人・出来事世の中のすべてのモノには名前がついています、。                            それでも「ぜったいにタイトルを決めなければいけませんか?」と不安になられる方もいるので、そういう方は『仮タイトル』で問題ないので、一旦記載しておきましょう。資料の作成が進み最後の方でタイトルを変更したり、あるいは、プレゼンを盛り上げるためキャッチーな表現に直すこと自体は、よくあることです。                         ここで大切なのは、仮であっても、タイトルを最初に決めることで『自分が何をプレゼンを通して、人に伝えたいのか』ということを明確になり、その後の資料作成も、スムーズに進めやすいということです。

次に各スライドのタイトルですが、この時意識してほしいのは、スライド・1メッセージです。1枚のスライドに載せるメッセージ(伝える内容)は、一つに限定しましょう。情報を詰め込みすぎると、聞き手に「何が一番言いたいことなのか」曖昧になっったり、本当に大切な情報がぼやけてしまいます。

各スライドの概要では、先ほど記載したスライドタイトルの中身を記載していきます。この段階ではあくまで文章・箇条書きで記載しましょう。    「グラフをスライドに入れようか」「Before/After図はこんな風に記載しようか」・・・慣れてくると、スケルトンの段階でも先をイメージできたりしますが、この段階は文章でOKです

以上のようにして、スケルトンを作成していきます。

スケルトンメモ

※私がつくるとこんな感じでしょうか。私はPCのメモ帳アプリで作ることが多いですが、OneNote、手書き、メールの下書き・・・形式はなんでもOKです。

3|ドラフトを作る

スケルトンを作成したら、ドラフトを記載します。下書きではスケルトンに基づいて、スライド一枚一枚のデザインや構成、順番再考などを行います。ドラフトはパワーポイントよりはオススメは裏紙等を使って、ラフ案を書いていきます。Before/After図、箇条書きなど決まりきったスライド構成はテンプレートがあれば、それに当てはめるだけで大丈夫ですが、きちんと構成を練らなければいけないようなスライド、例えばグラフ・データを使った分析、業務フロー、ビッグピクチャー等はドラフト段階で構成を練りましょう。裏紙を使うメリットはこの段階で順番を入れ替えたり、全体バランスを見れることですね。

ドラフトは言葉の定義が一番曖昧で、おそらく『スケルトンの内容を書き起こしたフィックス前のパワーポイント』を指すことも非常に多いです。会社で「ドラフトができたら一旦見せて」と言われる時のドラフトはおそらくこの意味です。この場合は、もちろん手書きはNGなので、パワーポイントで提出しましょう。

4|フィックスを完成させる

いよいよフィックスです。ここまでのスケルトン、ドラフトをもとにパワーポイントに書き起こしていきましょう。フィックスとは確定、完成という意味ですが、ここまでしっかりできていれば、もう清書という感じです。

ドラフトからフィックスへ

プレゼン資料ではないですが、すごくよい例でしたのでイメージをお借りました。The Modelのレベニューモデルを考え、しっかりとスライド資料としても完成されていますね。(本自体も、素晴らしい名著です)

このフィックス段階でやるべきは、

・パワーポイントでの実作成                                 ・表現、言葉の修正                            ・オブジェクトの整列、整理                          ・色や強調表現の調整

などになります。ですが、ここでよくある問題が起こります。「完成形がいつまでも見えない」「なんとなくできたけど、これで完璧かどうかわからない」と思ったことはありませんでしょうか?

上司にOKと言われたら確かに完成ではありますが、そもそも、上司に出す前に自分の中での完成という区切りがありますし、私自身も今ではレビューや承認をもらうことなく、自分自身の判断で完成形として会社の資料として出すこともあります。ですが、何をもって『完成』といえるのでしょうか?

5|完成基準のつくり方

完成するには完成基準が必要です。製造業でも、ソフトウェア業でも、ランチを提供する飲食店も同じです。製造業では膨大な数の製品出荷基準があり、製品やケースによっては、検査をしなかったりすると法律に触れてしまうこともあります。飲食店も規模こそ違っていますが、同じです。ランチで出す品物の数や味がお客様や日によってバラバラということはありません。それには、製造なら製品の、飲食店ならメニューの完成基準があるからです。資料作成にも完成基準を持ちましょう。

<完成基準を検討するときの項目>                      ①納期に間に合うかどうか                       ②体裁・デザインが整っているか                   ③内容が過不足なく記載されているかどうか                   ④資料作成した目的は達成できるかどうか                    ⑤一度自分で一通り口頭で話してみて、違和感がないかどうか          ⑥ほかの人や資料と比較してどうか

これらのことはチェックしておきましょう。①は大前提です。納期に間に合わなければ、なんの意味もありません。②は少し解説すると、具体的には『整理、それぞれのオブジェクトの配置は整っているか』『言葉の誤植がないか』『必須の項目。資料のタイトル、日付・・・見積説明資料なら価格表などが漏れていないか(ここまで極端ではないですが、提案書なのに導入メリット記載がなかったりする資料はよく見ます)』ということをチェックします。③は判断しにくいと思いますが、起承転結、PREP法など資料の定番の論理の組み方を知ることで抜け漏れやダブりが段々とわかるようになってきます。④はスケルトン作成のさらに前の話ですね。⑤はむちゃくちゃ大切です、一度口に出して話してみましょう。⑥は相対的な完成基準ですね。会社の人全員がむちゃくちゃきれいな資料を仕上げていたら、ある程度近いクオリティにする必要がありますし、お客様が資料一枚でと言われば、それが正解です。

6|資料のレビューはいつ・どのようにもらうべきか

さいごに、完成した資料の確認、レビュー、承認のもらい方について、お話します。

上司への資料の確認・レビューのタイミングは非常に難しい問題です。なぜなら、世の中のほとんどの管理職は「資料のレビューの仕方」というものを会社や学校で教わったことがないからです(ないよね普通・・・)。                デザイン印刷会社のデザイン系の部署であれば、デザインに対して明確にレビューがきます。本の出版社で著者が編集者に対してレビューも、かなり具体的にもらうことができます。しかし、皆さんが勤めている会社、所属している部署の多くは、IT企業の営業部だったり、社内の業務改善する部署のような・・・デザイン、文章表現、資料作成そのものが仕事ではなく、営業なら物を売ることが本来のお仕事かと思います。

(私の場合も同じです。別にデザイン会社でも、ましてデザイン部署でもないので「もっといい感じの資料にして」「みんなが使えるようなわかりやすい様にして」という何とも抽象的な言葉が飛び交います。※営業部に所属しています)

そんな難しい問題の確認・レビューですが、以下のようなコツを抑えると比較的うまくいくと思います。

✓レビューは、スケルトンとフィックスのタイミングがおすすめ

ドラフトでは、レビューというよりは、みんなでディスカッションしたり、考えを練ったりすることが多いと思います。まず、スケルトン段階のレビューは方向性自体の大きなズレを防ぐのが目的です。フィックスした後で、大きく方向性がずれたり、「その資料そもそも作る必要無くない?」となったりする危険性もあるため、スケルトンの段階でレビュー依頼が無難です。フィックス段階でのレビューは当然ですね。

✓レビュー合計回数は3回まで 

心配性なのか、あるいは確認しているからとムキになって?やたらレビューをもらおうとする方がいらっしゃいますが、全くオススメしません。「部下が確認せずに資料作成進めて不安だな」「忙しいのに、やたら資料確認が多くて大変」その間のちょうどよいバランスがレビュー依頼3回くらいかと思います。                                当たり前ですが、上司は暇ではありません。また、レビュー回数が多い=仕事ができなかったり、面倒な部下という印象を植え付けます。レビュー回数が多いと、修正作業自体も増えますので、上司・部下双方にあまりメリットがありません。

✓レビューより信頼関係。相手に合わせる

日本ではこれにつきますね。信頼関係ができているというのはもちろんですし、上司(相手)によってもタイプがあります。細かく何回でもレビューしたいタイプ、全部部下に任せたいタイプ・・・そんな上司のタイプに合わせてコミュニケーションすることが大切と思います。

✓上司が怒っている時以外は、いつでもレビュー依頼してOK

私も昔はよく考えました。「上司が昼ご飯を食べて機嫌がいい時に承認をもらってしまえ」とか・・・営業セミナーでもありますね、「夕方はお客様が疲れてきているので、商談で成功しやすい」とか(笑) 小手先のテクニックですし、オカルトにも近いのでこういう考え方はやめましょう(笑)何より上司という他人の機嫌・心の中という自分自身でコントロールできないものを探ったり、頼ったりするのは、やめましょう。             レビューは、自分自身が困っていたり、商談でプレゼンする前等の純粋にレビューがほしいと感じた時にすぐに依頼します。ただそれだけです。自分の仕事は自分でコントロールしましょう。

少々長くなりましたが、本日は資料作成の進め方でした。

<本日の内容>星2つ★★☆☆☆~星3つ★★★☆☆
「資料作成をはじめてみよう!」                   ~「職場の資料作成には困らない」

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