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春の夢ありしあやめし虫の声
春の夜の夢や憂いの虻のごと
つまらない夢ばかり過ぐ晩夏かな
指汗に登録カンタン夢なれば
児が猫を抱いて迷へり夢雪夜
女(おな)に腕奮う夢見しハンモック
春の夢ランプ擦れば白や湧く
膝寒し絨毯に種植える夢
寒月やどうしようもない夢ばかり
朝露にべつたりと赤熟れ彼岸
夢は尾の深追いをして秋の暮れ
行く夏の残りし夢や歯を磨く
回遊魚いつやみし夢と漆のあわい
夢散りて後に隣るや指スマホ
