シェア
夏草や負けじと諸刃ふる童
足裏を蚊に刺され円まる背子や
児の雪のつくてんてんと息の緒や
咳ひとつ子のいなくなる胸のうち
呼ぶ声も背中に寒し子息の目
蜘蛛殺し誘い笑う子ら秋の空
誘い笑い乗らぬ子等の目黒くぬぎ
一人子の次男演じて稲荷の穂
赤いトマトはちけそうな子らの顔
蜘蛛は逃げ抱いて不貞猫見せる子や
ろうそくをふうとふく子や遺影笑む
落馬して色なき風や児の項(うなじ)
蟬の鳴くはやく大人になる必要
世に飽きた日を記しつも子のよだれ