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一を知り二を知らぬ人春となり
そうとのばす手にジと告げて夏の空
むらさきに篠突き薮の紫陽花や
春の夜の爪にならすみ独琴
燕跳ね空に水面の気配かな
ひぐらしや長い廊下に黙す影 ひぐらしや管の底ひの暗みまで
瞳まで篠突く窓の五月雨や
日没を延ぶに紛し泡立草
残響に痺らす脈を落蝉と アスファルトに前脚提げ蝉ひとり 落蝉や「もつとギロリとしたところ…
冬紅葉おもひはさめて幼き手 遡る血脈と息琴坂へ 狭し古道を殺し冬紅葉
木枯や渡りきれずに右車線
枯れて散りかえって自伝的となり