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行く秋やひなびを重ね祖母のうた
のばす手のちひさくかはす落花かな
五月過ぐその膝丈のそよぎかな
そら豆や産毛の指に匂いして
耳鳴りは梢となりし蝉の声
物思ひにぶつけし膝や青薊
眼裏に空寝の熊や春炬燵 まんじゅうのなかみにまろむあんこ熊
鳳仙花膨らす下の唇うつし
ブーケ逸れ唇や卯月の後れ髪
語り部のやがてに耽り虫の声
罪人を巡り幾重の棚田かな
蔓追へる息は十色に朝顔や
水性の絵の具にゆれて小春の日
共濡れて睫毛の軽みとコンビニへ