取材不足さん 現代ビジネス デビュー!

華麗なデビュー

 石丸伸二の支離滅裂さを訴えていたyoutuberの取材不足氏が『現代ビジネス』で石丸を批判する記事で華麗なる論壇デビューを飾った。以前一度だけyoutube上で対談形式でコラボさせていただいた身としては、身近な人がブレイクしたことに独特の感慨深さを覚えた。

記事の内容と意外な反響

 詳しい記事の内容はそれぞれ確認してほしいのだが、相変わらず氏の論理的、事実に基づいた語り口は見事で、決して短くない文量を一気に読み切ることができた。ぜひとも多くの人に読んでもらいたい良記事である。
 ただ一つ気になることがあった。記事の内容ではなく、取材不足さんのライブ形式の動画を視聴していた時に、たまたま氏の知り合いが石丸伸二を好意的な印象を抱いていて、氏がいつものように石丸の真実を伝えると、そのお知り合いの『洗脳』は無事解けたのだが…

厳しい現実と石丸現象の正体

 取材不足氏は自らが現代ビジネスで執筆した記事をお知り合いの方に読んでもらったらしいが、反応は芳しくなかったようだ。曰く「はじめから石丸氏に批判的で内容が入ってこなかった」「アンチの人が書いた文章」というような感想を返されたそうだ。石丸が裁判で負けている事実を伝えても、「世の中の人は裁判の方が間違っていると思う可能性がある」と僕たちからすれば意外な意見を述べられた。

SNS時代の代償

 確かに世の中には間違った裁判の判決というものはある。だがそれでも司法の場で下された判断には一定の「重さ」があるはずだ。そのうえでそれが真実なのかどうか、僕たち市民は慎重に見極めなければならない。しかし、石丸信者の方々にその慎重さはあるだろうか? 例の石丸よいしょ映画で「恫喝なんてしてませんて言う、女性市議の圧やばいわ」という感想を公式ホームページに載せた(先ほど確認したら削除されていた)中村千昌に、あるいは舞台『掟』を制作したTAESHMASTHERSに、司法の判決に抗うだけの覚悟や信念があるのだろうか?

失われた謙虚さ

 ありきたりな物言いかもしれない。あらゆることに共通する原因でもあるのだろう。僕たちは持っているべき謙虚さをなくしてしまったのかもしれない。僕自身youtubeをやっているし、こうしてネットで自分の考えを述べている。影響力はないに等しいが、発言をする『場』に一応は足を乗せている。発信するだけなら誰でもできる。そのような状況になると昔あった『権威』なるものは鳴りを潜め、大衆はわかりやすいものに飛びつく。地方議会でも扱っているものは素人には理解しにくいものだ。昔であればそれを聞いてわからないことを「自分の知識不足」だと謙虚に受け止められた。今は違う。「自分たちが理解できない物言いをする市議が悪い」「奴らを論破している(ように見える)石丸市長こそ正しい」と、多くの人は思うのだろう。

石丸ブームの終焉は近い

 絶望的な状況だが、希望もある。今の『石丸現象』の終焉は近い。迫る都知事選も現職の小池氏と蓮舫氏の一騎打ちで、石丸は泡沫の域を出ないだろう。本人も当選するつもりはなく、これを機会に全国に名前が知られればいいと思っているはずだ。だが、問題は都知事選の先にある。僕としては石丸の本命は広島知事選で、都知事選はその前哨戦でしかない。石丸としてはここで『健闘』ともいえる得票数を得て、広島県知事選に出馬したいはずだ。

知事はそんなに甘くない

 道が開けているように見えるが、現実はそんなに甘くない。都知事選で惨敗すればケチがつくし、思いのほか票が伸びたとしても広島県知事になれるとは限らない。そもそも石丸には政治家としての手腕も、実現したい政策もないのだ。万が一知事になれたとしても安芸高田市で通用した大道芸が県議会で通用するはずがない。安芸高田市で起こした混乱を県クラスで起こせばそれこそリコールされ、政治生命は事実上途絶える。。
 知名度が上がるにつれ、石丸をよいしょする人間も増えてきた。僕たちは『石丸現象』の終焉を待ちつつ、彼に群がる人々の『本性』見抜いていく必要がある。

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