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ことばの力

職場に留学生さんがいる。
1ヶ月ほど前から私と同じ接客のポジションで
頑張っていらっしゃる。
まだ18歳とのことだった。

英語も日本語も少し分かる程度。
英単語と日本語を掛け合わせて
ルー大柴みたいな謎なコミュニケーションで
仕事を覚えてもらっている。

勿論戸惑っていることもあるけれど、
(彼女も教育係のわたしも…)
何より彼女に脱帽してしまうのは
その愛嬌。

いつも笑顔で、
困惑しながらも、覚えたての日本語を話す。

言葉が分からない不安もあるだろう。
そもそも
飲食店特有の土日の忙しさが尋常じゃなく、
お客様から突然話しかけられたり、
日本人でも
混乱やパニックになる新人さんも少なくない。

そんな中でよくやってくださってて、
本当に頭が上がらなくて、
いろんな気持ちが溢れる。
「不安な中すごいね」「おつかれさま」
「少しは休んでもいいんだよ」
「いつもありがとう」
たくさん伝えたい。褒めてあげたい。
でも…彼女にそれとなく伝えると
少し困った顔をする。
残念ながら伝わっていないようだ。

自分の中にあるたくさんの表現の中から
伝えたい気持ちに合う言葉を選んで
ことばにすること。それが伝わること。
当たり前じゃなくて、凄いこと。素敵なこと。

勿論言葉だけじゃない。
彼女のように笑顔があれば、
がんばろうという姿勢があれば、
伝わる思いはある。

それでも、やっぱり
「ことば」って偉大なんだ。
言葉を紡いで伝えたい思いを形にする。
疎かに、適当にせず、丁寧に。
改めて感じることができた今日一日。

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