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僕はレストランのウエイターだ。

そう。今日はいつもと違ってこんなお題で書いてみよう。僕はレストランのウエイター。もう10年以上。バーテンダーやバリスタも経験している。

世の中にはたくさんの仕事があるわけで、その中で何が良いとか悪いとか。そんなのはどうでもいい。ただ1つ言えるのは、レストランと音楽がなくなったら世の中はすごくツマラナイ。と、いう事だ。それが高級レストランだろうがすっごい小さい個人店の居酒屋さんでも。僕らは世の中を明るくしてると信じて働いている。

よく聞く言葉。

「~君はレストランで働いてるんだよね??じゃあご飯作れるんだ!!!」

この言葉は聞き飽きた。そして、自分はまだまだだなと思うと同時に少し寂しい気持ちにもなる。ご飯は作れるが僕はシェフでなく、ウエイターだ。シェフのように芸術的な動きで、パパッと素敵なものは作れない。僕はウエイターなんだ。多くの人の中で、ウエイターの認識なんてそんなもんだということだ。

高級店でなくとも、カジュアルなレストラン、カフェ、居酒屋、色々なお店がある。日本の人口のかなりの多くの人がなんらかの形で飲食業に関わったことがあるのではないであろうかと勝手に思っている。日本の人口の8割位は学生時代のアルバイトなどで経験しているのではないであろうか。シェフが自宅でも美味しいご飯を作ることが出来るイメージは誰でも簡単に湧くだろう。だが、ウエイターのイメージとはなんなのだろうか。日本の人口の8割が飲食店勤務を経験しているのに、なぜ僕はこの、「ご飯作れるんだワード」を何百回と言われるのだろう。

それはきっと、日本ではウエイターのイメージがないのではないか?!多くのウエイターのイメージはただ料理やドリンクの注文を聞いて、持ってくるだけの人なんだ。とても残念と同時に悔しい気持ちになる。本当はそんなものじゃないし、誰にでも出来る仕事ではないからだ。

ウエイターは皆チャーミングだ。男であろうが女であろうが、皆チャーミングな笑顔を持っている。店のメニューを知ってることはもちろん、お客様に寄り添ったサービスで、今日のテーブルに合わせた料理やドリンクをコーディネートしてくれる。近隣のことにも詳しくて、世間話にも花をさかせる。

そして彼らは忙しそうな店内でもキビキビしているがどこか優雅だ。多くのスタッフと連携しているその姿はもはや芸術だ。彼らはよく気が利く。お客様のテーブルをよく見ていて、欲しいものがあったときや、追加でオーダーを頼みたいときなど、スッとテーブルに表れてくれる。彼とはよく目が合う。目が合ったときは心が安らぐチャーミングな笑顔をくれる。とても安心する笑顔だ。お腹がいっぱいになり帰るとき、彼らは今日はどうだったかと感想を聞いてきてくれる。最後にウエイターと話し、チャーミングな笑顔を見るとまた必ず彼らに会い、美味しい食事やドリンクをいただきにきたいと思う。

僕の仕事はウエイターだ。10年後、世の中こんなウエイターだらけになったら、僕は「ご飯作れるんだワードは聞かずに済むのろう。」10年後。日本のウエイターのイメージが、今の100万倍良くなっていますように。


#私の仕事

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