中島裕介に応えて(2)


「言葉を危機に 『びあんか』をめぐって」という評論の初出は「フォルテ」4号(1990年発行)である。水原紫苑は、3号から同人になった。「フォルテ」は、ニューウェーブの拠点となった同人誌である。
「フォルテ」4号で、特集「水原紫苑『びあんか』の世界」が編まれた。坂井修一、中山明、穂村弘、大塚寅彦、小澤正邦、荻原裕幸、加藤治郎の7名が寄稿している。
 この4号刊行時点で『びあんか』は、同じく「フォルテ」同人の辰巳泰子『紅い花』とともに、現代歌人協会賞の受賞が決まっている。
「フォルテ」とニューウェーブの関係は、単純ではない。別稿を期したい。

 水原は「フォルテ」4号の「編集後記」にて「仲間内の甘えにおちいらず、激しく、時には傷つけ合いながら、歌のゆくえを追って行きたいと思っています。今回は『びあんか』の特集で、七人の男性歌人に評論をお願いしました」と記している。
 率直な評論が集まった。「フォルテ」は、そういう場だった。

「言葉を危機に 『びあんか』をめぐって」(『TKO』所収)をアップする。
https://note.mu/jiro57/n/nb8cc59212c66
ここでは『びあんか』批判が展開されている。

 (続く)

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