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ここが変だよ民泊新法その6 ここが変だよ(3)

前回の記事で、民泊新法で、地方自治体の上乗せ条例厳しいですねという話をしてきました。

ここが変だよ ポイント⑤

 第二節 業務(宿泊者の安全の確保)

第六条 住宅宿泊事業者は、届出住宅について、非常用照明器具の設置、避難経路の表示その他の火災その他の災害が発生した場合における宿泊者の安全の確保を図るために必要な措置であって国土交通省令で定めるものを講じなければならない。

宿泊者の安全確保に関しては、これまでの民泊物件では対応されていなかった部分で、近隣住民の安全を守るという観点からも必要だと思います。

ただ、「どこまで必要?」という事を考えると、かなり疑問です。

ちなみにどこまでの消防設備が必要かは、物件の種類によって異なります。こちらからご確認下さい。

一般的に必要になるのが、「火災報知器」「避難誘導灯」です。

■火災報知器

各部屋の天井につけたらいいんでしょ?と思うかもしれませんが、一般住宅につける火災報知器と違って、宿泊施設に設置する火災報知器は、全てが連動(1箇所で火災が発生すると、全ての報知機が鳴る)している特別なものを設置する必要があります。これが高い!

さらに、消防署と消防工事ができる専門の業者に相談して、設置場所を指示されて、電気工事をして・・・というかなり煩雑な手続きとコスト(場合によっては100万円以上)がかかります。

もちろん、複数ゲストが宿泊するような通常の宿泊施設でしたら必要なんだと思いますが、民泊物件には過剰な規制でしょう。(もちろん物件の広さにもよりますが)

だって、せいぜい100㎡ぐらいの物件なら、どっかの部屋で火災報知器なったら十分聞こえるでしょうに。

■避難誘導等

よくある、緑のやつですね。消防の指示のもと場所を決めて、専門の業者に工事を依頼して設置する必要がありますが、これは民泊物件には本当に不要。

「あなたが入ってきた玄関が、避難口です!以上!」

もう全ゲストが分かってる。入り口一個だし、なんならどこから逃げてもいいし。

一般の旅館やホテルだったら、ゲストが建物の全体像を把握してないから避難経路の案内は必要だと思います。民泊物件にはまず不要だと思います。

民泊に必要な消防設備とは?

ルールを作るときは、「なぜそれが必要なのか?」「それを作った事で生まれるメリットとデメリットのバランス」を常に考えてほしいと思っています。

「安全性を1高める為のコストが100かかる」というようなバランスになってしまっては、事業として成り立たない。

今回の消防設備に関しては、もちろん不特定多数の人が出入りする宿泊施設なので、消防設備は必要なんですが、民泊の実態や規模感を考えたら、

・避難経路の分かる間取り図を置く

・各部屋に住宅用の火災報知器を設置する

・消化器を設置する

ぐらいで十分かなと。それでは次回。

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