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理想の民泊新法を考える 続き

前回までの記事で、民泊運営で起こる問題とその解決方法、そしてそれを元にした理想の民泊新法というのを考えてきました。
今回も引き続き、理想の民泊新法のあり方を考えたいと思います。

宿泊者情報の保存

第X条 宿泊者情報の保存義務
民泊仲介業者は、全ての宿泊者のパスポート情報滞在時の連絡先を保存するものとする。民泊事業者は、仲介業者を通さずに宿泊を受け付ける場合、上記の情報を保存する。行政の求めに応じて各情報を提供する義務をおう。

緊急時の連絡先を記録するのは、感染症や事件事故があった際に必要です。ですが、それを宿泊者名簿という形で、各事業者にアナログな形で義務付けるのは超時代錯誤。まずは仲介業者(Airbnb等)側に義務付けましょう。そして、あんまりないと思うけど、仲介業者を通さないでとった予約だけ、宿泊者名簿でも何でもいいからパスポートのコピーと各情報の保存を義務にします。

滞在時の連絡先とは?

Airbnbは、予約が確定するとゲストの電話番号がホスト側にも共有されるのですが、これがつながらないケースが結構あります。考えてみたら当然ですが、自国の電話番号を記載していても海外旅行中つながらないんですね。ですが、実態としては、滞在中も連絡できないと困るケースが多々あります。近隣から騒音のクレームきた時に電話してもつながらない、Airbnbからメッセージを送っても返信がない。(見てるか分からない)

なので、LINE・Wechat・Whatsappの連絡先の記入欄も作っておきましょう。今の時代、電話より、メールより、チャットツールの方が連絡がつく可能性が高いです。

民泊での消防設備・防犯対策

第X条 消防設備・防犯対策
1 緊急避難経路の周知
事業者は、宿泊施設に、間取り図に緊急避難路・消化器位置を記載した案内を設置する。
2 消化器・火災報知器の設置
事業者は、宿泊施設に1箇所以上消化器を設置する。また各部屋には火災報知器を設置する。
3 防犯対策
事業者は、防犯対策として、スマートキーの利用または、出入り口に防犯カメラの設置、または最大宿泊人数に応じたサイズのセキュリティボックスを宿内に設置する。

消防設備は必要ですが、電気工事が必要な避難誘導灯や連動型の火災報知器は民泊物件には過剰規制でしょう。もっと考えてみると、建物火災の上位原因は下記なんですね。

1位・・・コンロ 2,077件 18.4%
2位・・・たばこ 1,442件 12.7%
3位・・・ストーブ 914件 8.1%
4位・・・放火 821件 7.3%
(総務省消防庁 平成28年度の1~12月期の指標より)

もし規制を強化するとしたら、コンロでの火災は料理中で人がいる時がほとんどでしょうから、キッチンから見えるところに消化器を設置する。喫煙OKの物件、火災の原因になりえる灯油ストーブを利用している物件は追加の規制を設けるといった、原因にアプローチした対策するべきでしょう。全物件にい避難誘導灯の設置を義務付けるなんて・・・意味ありますか?避難誘導灯に従うより、近くの窓から出たほうが安全でしょう。

放火は、、、事業者側ではコントロールできませんね。民泊運営で恨まれて火をつけられる事がないよう、近隣に迷惑をかけずしっかり運営しましょう。

防犯対策は、なぜか現在の民泊新法に盛り込まれていない部分ですが、キーボックスで鍵を受け渡す運用だと結構起こりうる問題だと思います。そもそも、犯罪する側がその気になれば、滞在中に合鍵を作るというのも容易なので、ある意味防ぎようがない問題とも言えます。
スマートロックで毎回鍵番号を変えるのが理想的ですが、スマートロックがつけられない構造の扉も多いので、防犯カメラやセキュリティボックスで代用するのでも十分かなと思います。

民泊の設備基準を示す

第X条 設備基準
1 寝具
宿泊者の人数分の寝具を用意する事。ただし、宿泊者との合意がある場合はその限りではない。
2 清掃
宿泊者の入れ替えがある度に、リネン類の交換を行い清潔な宿泊環境の整備に努めること。
3 基本設備について
宿泊施設には、必須設備(電気・お湯・空調・寝具・トイレ・浴室)の設置を義務付ける。ただし、設備の不備について宿泊者との合意がある場合はその限りではない。
4 リスティング非掲載措置
上記の要件を満たさないと認められた物件に関しては、行政の指導により改善が認められるまでの間、インターネット上で非掲載にするものとする

一定の設備を用意するのは当然ですね。ただ、今みたいに清掃を業者に依頼するのを義務付けるとかはやめましょう。コストかかりすぎるから。清掃ができていないとか、そもそも必要な設備がないというダメ物件は、どうせレビューに書かれて選ばれなくなるんだから、市場原理に任せましょう
設備の基準だけ提示して、守っていないリスティングは、宿泊者を守るために非掲載にしてしまいましょう。

ただここで重要なのは、宿泊者との合意があれば設備要件を満たさなくてもOKにしましょう。なぜかというと、現状の法律だと、テントとか山奥のコテージとかを宿泊施設として貸し出せないんですね。ただ、テントにトイレがないことなんて宿泊者からしても百も承知で「そんなんいいから、日本の大自然の中で星を眺めて過ごしたいんだよ!」っていう事あると思います。
ちゃんと足りない設備に関してお互いに合意が取れている場合は、設備要件満たさなくてもいいことにしましょう。

長くなったので今日はこの辺で。次回ぐらいで完結できるかな。50000字の民泊新法を数千字ぐらいに簡略化して、それでいて効果を倍にできる法律を考えたいと思います!



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