人を立てて、、味方につける

 平尾が神戸製鋼のキャプテンをし始めたころ、当時の神鋼ラグビーはボールをキープし続けてスクラムやラインアウトも少なくする展開ラグビー。 スクラムなどやや弱かったその年の方針を決めた。 そんなラグビーを進める上で最も理解&協力して欲しいのは大八木さんだった。もちろん一番の理解者で頼れる存在。ただゲーム中熱くなると平尾の言う事にも耳を貸さない。高校〜大学〜社会人、そして日本代表でもチームメイトで破壊力も抜群の先輩。 林さんと一緒に外国人相手でも物おじしないファイターであり、国内では当たり負けする相手は皆無。 そんな大八木さん時に熱くなるとついつい自身で突っ込んでしまう。 バックスに回すタイミングでも相手を蹴散らしぶち当たり続ける。 ここはバックスに回して欲しい と平尾は何度も感じていた。そんな大八木さん 個人的に相談すると『わかった、そんな時はバックスに回す』と言うが いざゲームになると全く変わらない、、今は勝てるけど もっと強豪になるとそんなプレーが命取りとなる。  

 考えた平尾は大八木さんを先に理解者になるよう相談した『武藤や杉本、、あいつら俺の言う事は聞きません。でも大八木さんの言う事は聞くと思う。 あまり無理せず余裕あるところでバックスに回すように大八木さんから言ってくれませんか』とお願いした。 頼られた大八木さんは 『あいつらは任せとけ 俺から言っておく』と直ぐに注意してくれた。 これを機に 平尾から見て一番変わったのは大八木さんご本人。 面白いもので人に伝える役になる事で大きく変わったそうだ。しっかりとプライドも立ててご本人も悪い気は全くしてない。 そうしてこのシーズンから平尾の目指す展開ラグビーが出来上がったそうだ。 

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