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今 感性は力

 社会人になってしばらくしたころ 平尾は恩師の1人である松本瑠璃さんからいろんな方々の紹介を受けていた。 その中のお一人が行徳哲夫さん、感性論哲学を実践されてた方で、その後の平尾の考え方に影響を与えた1人で私も行徳さんの本は愛読してた。

 27~8歳のころ平尾は私の会社によく遊びに立ち寄ってくれた。その日は社員の松ちゃんや学生アルバイトの方数名が会社に残っていて、皆んなの前で『今日こんな話があってな、、』と話が始まる。

『雪が溶けたら何になる?』と松ちゃんにいきなり質問すると、松ちゃんは『え、、水です』と回答した。 これは実際に小学校であった話で、低学年のクラスで先生が授業中に『雪が溶けたら何になる?』と聞いたら、一人の女子生徒が『春になる』と答えた。 残念ながら先生は「間違い」と言ってしまったらしい、、。他の生徒は全員水になると答えたがその1人の少女が春になると答えた。 でも春と答えたこの子の回答こそ感性的には正解で、『自分が主体となってその中にいる』と言う事らしい。 雪が溶ける現象を、客観的に見ると確かに水だけど、自分自身の事として想像すると、雪が溶け始めると春になるは大正解である。 このように感性を否定してしまう事を大問題としていた。 次の話は、何千キロと翔ぶことのできる鴨が飼い慣らされ野性を失った時に雪解け水で洪水になった湖から陸まで飛ぶことが出来ずに溺れてしまった野鴨も教えも強烈なインパクトがあった。その話はとても好きだったので、私達が作ったプライベートのラグビーチームに『ワイルドダックス』と名付けてくれた。 その他にも未だに印象に残っている話が多々ある。 ニーチェの超人思想 福沢諭吉氏が「盲目の時代に大切なのは獣勇」と語った事などなど。 随所作主、今ココに生きる。感性を大切にするための啓示的な実話は、ワクワクしながら学ぶことが出来た。

『今 感性は力』は行徳哲夫さんと芳村思風さんの対談形式の本。  (『今こそ感性は力』とリニューアルされた緑色の本も出たけど個人的には前作の茶色い本が面白かった)

 それから何年も経ったころ平尾が久しぶりに読んだら面白かった、と聞いた数日後 読売ジャイアンツ長嶋監督が『メイクミラクル』で優勝した時、長嶋監督が愛読してた本が『今 感性は力』とテレビで語ったのを偶然に見た。

 平尾は若いころ「俺は理性的な考えで生きてきたし、これからもそうすると思う。でも理性的な道も突き詰めると頂点では感性的な考えと交わると思う」と話してたことも思い出した。 平尾は理路整然、知的でクールに見られる事も多いけど、自身の感性を信じてに、今 ココ を大切に生きていたとうに見えた。 

 今も感性が重要な時期にも感じる。凡人の私にはわからんけど、、このように書く事で、いろいろ思い出してきた。 


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