覚悟を決めて鬼になれ!

平尾の言葉は相手の心に響く。神戸製鋼に平尾を慕って入手した冨岡剛は現役引退後ネットワークビジネスの世界にすすんだ。狙った獲物は逃さない、とにかく決めた事は徹底して実践する冨岡。 ネットワークビジネスでも短期間で日本トップレベルの頭角を出し始めた。抜群のプレゼンテーションとクロージング、夢を語る姿は聞いてる人も『出来る』と錯覚させる。どんどん突き進むうちについていけない人から批判の声も出てきた。 批判者はラグビー関係者にも広がり平尾の反応が気になる冨岡。 そんな時平尾は冨岡に『覚悟を決めて鬼になれ』と独特のアドバイスを送った。 平尾の公での立場が高まり直接会う事も減らしてたが 闘病中は冨岡を呼び寄せ暖かく労をねぎらった。 もちろん2人の信頼関係は長く現役当時から可愛がっていた。選手とは一定の距離を保つ平尾だけど、藪木と冨岡だけは別だったように感じる。 冨岡はゴルゴと呼ばれ 平尾からのミッションは必ず遂行し、結果を出していた。平尾も当時の冨岡をプレーヤーとしても超一流になれるように育ててた。 アタックは一流だけどディフェンスは二流、入部当時の冨岡のチームでの評価を聞いた事がある。ただ冨岡のディフェンスを指摘してもコジンマリしそうなので長所であるアタックを伸ばして超一流にする指導を先にしたと聞いた。その後日本を代表するトライゲッターと成長した冨岡はディフェンスでも一流クラスの力をつけたそうだ。先に長所をさらに伸ばす方針が行を奏した。

 個の力を伸ばす事を大切に考え取り組んでた平尾から学べる事は多い。先に欠点を指摘されると不安になり、不安を払拭のための努力はその課題を超えるまでは自分がダメと感じてしまうかもしれない。そんな方法では時間がかかと自信喪失にもなりかね無い。 また別の例えになるが、当時の冨岡選手の総合力を700点とする。課題であるディフェンスに強化をさきに取り掛かるとその課題をクリアするまで総合力は700点のままだが、先に強みであるアタックをさらに伸ばす事で短期的に総合力を800に増やす事が出来、さらにディフェンスの強化に取り組む時に、700点より800点の方が課題を超える力も当然高くなる。 

もちろん深い信頼があるから冨岡自身が 選んでくれた平尾に恥ずかしくないプレーをしてたのだと思う。

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