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あこがれること

あこがれることというのは、

自分の存在を捻じ曲げるほどにその何かに近づきたいと思うこと

自分の元々持っているやわらかいものと、あこがれたその人が持っているやわらかいものが、

似たようなかたちをしていたら、

おともだちや恋人になりたくなるし、

似ているとも言えないが似ていないとも言えないくらいのかたちをしていたら、

その人を先生とか師匠とか呼びたくなるし、

似ても似つかないかたちをしていたら、

その人を偉人だとかもしくは変人だとか思いたくなる


でも人間はそこまで単純じゃないときもあって、

似ても似つかないかたちをした者どうしが

友達や恋人になったり、

似たようなかたちをしてる者どうしのくせに

一方的に序列をつけたがったり拒絶し合うことがある

こういうときは、

あこがれることを忘れていたり、

あこがれることが当たり前になりすぎていてあこがれているという事実を忘れていることがあるかもしれない


人間は

生まれ持ったちっちゃな植木鉢と土のうえに

自分があこがれた存在という種を植え、時間と言う水を吸収する

でも苗木がどんな風に生えてくるかは

生えてきてからしかわからない

生えてきた苗木がどんな形をしていようとも

それはおなじものはひとつとしてない

ただそこには

歴史上初の樹木が生えてきたのである

その樹木を伐採しようとしたり

かたちにいちゃもんをつけて唾を吐いてきたり

たばこをポイ捨てしてくるようなやつには

リーフカッターをお見舞いしてやるのである


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