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最近読んで面白かった本。「Dr.セザキング直伝! 最強の医学英語学習メソッド」

いち編集部のリアルです。

この本は医学英語、USMLE(米国医師国家試験)攻略を通じた成功モデルの惜しみなき披歴の書であり、自己啓発の書でもある。特に1章にものすごく大事なメッセージが込められていて、具体的な勉強の前にガムのごとく何度も噛みしめて読むと、そこにある鋳型が提示されているというDr.セザキングこと、瀬嵜智之先生の後進を導く、愛の書である。

世の中にはいろいろな成功のタイプがあるが、人生の初発において猛烈な努力をする人もいれば、ずっと置いてけぼりの人もいて、中には人生の波乗りそのものを拒絶し、引きこってしまう人生もある。できればそうならないでほしい。誰もが等しく頑張れば報われる社会であってほしい。

仮に若いうちは出遅れても、トータルな人生において落ちこぼれでなければ、それは倖せの1つの鋳型と思う。冒頭、いきなり愛の書としたのは、単なるノウハウ本ではなく、人の頑張りを後押し、気づきを与える書だからだ。しかも難関の医師国家試験に加えて、さらにUSMLEをもクリアしようとする若い医師の猛者に、いかに迷わず最短の道を進むのか、これでもかこれでもかと情報の選択・整理、時間の用い方を提示してくれる。

USMLE攻略や医学英語獲得に安易な近道はないとしつつも、脇道にそれないための囁き(コンサル)が満載なのだ。その証左にいきなり2章で「正しい日本語を使えない人は英語の勉強も苦労する?」と、医学英語の本なのに日本語力の大切さを説いてしまうところが、瀬嵜先生のコンサル力の凄さと申しますか、ものごとのコアを貫いていらっしゃる! 確かに日本語のメール文面をみれば、英語力いかんの前にその人の思考法やロジック力がわかってしまう(いきなりそこを突く)。逆にその段階で方向性が調整できるのなら、医学英語の勉強も追い風にすることができるかも…と優しく諭してくれているようにも受け取れる。

門外漢なので詳述は避けるが、基本的に1章から6章の最後まですべてがためになる。こういう本はじつは珍しい。というのは、たいていの本はパンチのあるコンテンツを前の章にもっていき、後半にゆくにつれて、コンテンツ力がやや落ちがちな章を惰性で読まそうとするからだ。けれども1章から濃厚な内容、2章も濃厚、3章も濃厚、そして最後まで濃厚(ためになる)。

もちろん医師でない者にはハードルが高い内容のように思えるが、(私のような)これまでの英語挫折経験者が読んでも「なるほど」「そうだったのか…」があふれている。

圧巻なのは6章「USMLE合格の極意」。読み進めるだけでめまいを覚えそうなほど、真摯な勉強法のstep by stepだが、日ごろ編集でお付き合いさせていただいている海の向こうのドクターの方々が、このような勉強と模試と試験をクリアしてきたつわもの(!)とわかっただけでも読んだ甲斐がありました。

「やれば、できる」。

瀬嵜先生の語りがすでにコンサルなので、この本の解説に身をゆだねると、不思議と額に鉢巻きをする覚悟ができると思う。そしてこの本こそは、若いうちに出会うべきであり、医師にとって臨床留学という坂の上の雲を目指すとき、まず最初に読むべき本なのかもしれない。


じつは先日、瀬嵜先生に当編集部で世に送り出した本のことを紹介いただいた。(非礼にも)「いきなり献本」だったが、その道のプロの目利きの先生に読んでいただきたかったからだ。

「セザ本」が医学英語の「入門書」なら本書は「実践本」という位置づけです!

医学英語のプロフェッショナルにこのような賛辞をいただき、恐れ入る次第だが、このような紹介をいただけたことで、編集部も少しだけほっとしている。瀬嵜先生、ありがとうございました。

さて余談だが、日ごろ従事している医書編集のおかげか、本書の中で例示されている英文読解(医師国家試験の英文過去問とか)が「ある程度、読めた!」(ちょっとうれしかった)。勉強は、こんな小さな喜びからスタートするのかもしれない。

ご清聴(読)ありがとうございました。

2020.6.3


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