読書記録2『すべての月、すべての年/ルシア・ベルリン』

『すべての月、すべての年』
著:ルシア・ベルリン 訳者:岸本佐知子

初出「虎に噛まれて」「カルメン」「B・Fとわたし」群像2021年6月号
上記以外は訳し下ろし

奥付より

※今すぐ書きたいと思ったので、本書を「野良犬」まで読んだ状態で書いています。ご了承ください。

余暇のほとんどを寝るか食べるか麻雀に費やしている私ですが、最近小説を読む楽しみを思い出しました。どうも読書もストレス解消のひとつになっているらしく、私にもよくあっているみたいなのです。負けたら読もう。

そこで、フォロワーさんはどんな本を読んできたのかな、よかったら教えていただけないかなと思い、「あなたの好きな小説は?」とたずねてみました。

そこにあがってきたものの一つが『掃除婦のための手引書/ルシア・ベルリン』でした。

早速読んでみようと図書館に足を運んだが現地にはなく、かわりにこの『すべての月、すべての年/ルシア・ベルリン』がありました。
「作者がおなじなら」と簡単な理由でこの本を選び、読んでみることにしました。
(『掃除婦のための手引書』は図書館の予約カゴに登録しておきました。時期が来たら取り寄せて読むことにします)

彼女は透明になった。

『すべての月、すべての年』より

『すべての月、すべての年』では海の様々な表情や、海とひとつになっていくような表現が心地よい。初めてのダイビングで水の中に潜った瞬間器具の重みも身体の重みさえも感じられなくなった感覚を「彼女は透明になった。」と表現し、彼女もまた水のひとつとなったような感覚を私に見せてきた。

見たことの無い風景のはずなのに、何となくその光景が目に浮かぶ。そんな感想を抱きました。

ボリュームの関係で底本を二冊に分けて訳すことになったとはいえ、作品の取捨選択についてはほとんど悩まなかった。なぜならこの本は(それを言うならルシア・ベルリンのすべての短編が)アルバムで言えばすべて捨て曲なし、どの一つをとっても無類に素晴らしいからで、どのように分けても同じくらい面白い二冊にしかなりようがなかったからだ。

訳者あとがきより

本書についてはまだ読破できていませんが、この後続いていくお話や、同じくらい面白い『掃除婦のための手引書』を読むことも同じくらい楽しみです。

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