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【じんたろホカホカ壁新聞】気球の何が問題なのか?

気球がいくつかアメリカ軍によって撃ち落とされた。
中国の軍事行動だと。
でも、そのうち中国のものじゃなかったものもあるらしい。
で、ちょっと騒がしくなっている。

撃ち落としたのは間違い?

アメリカは突然気球を見つけて撃ち落としちゃった。
でも、あれはちょっと問題があったようだ。


アメリカは10日から12日にかけて、アラスカやヒューロン湖上空などで、計3つの飛行物体を撃墜したと発表。ただ、ややこしいのですが、これら3つに関しては、商業目的や研究用の気球だった可能性もありうると説明しているんです。
 実際、2月17日の『CNN』は、米イリノイ州を拠点とするアマチュア愛好団体の気球が、アラスカ上空で行方不明になったと報じています。米中で気球をめぐる “攻防戦” が繰り広げられるなか、事態は混乱の一途をたどっています」(週刊誌記者)

中国の最新の軍事戦略?

それにしても、人工衛星やドローンではなく、なぜ気球だったのか。
中国の軍事戦略もあるらしい。

中国外務省は米本土上空を飛行した気球について、「研究用であり飛行コースを外れた」と繰り返し主張している。しかし中国の軍事研究者は最近、一般に入手可能な論文で、気球の開発を進め、特定の作戦向けに配備すべきだと主張している。「特殊飛行体」を研究する人民解放軍の研究機関が昨年4月に発表した論文は気球について、「敵の防空システムを誘発・稼働させることができ、電子偵察の実行のための条件や、防空システムの早期警戒検知の評価、作戦対応能力を測ることができる」と指摘。敵の防空体制に対するテスト機能が軍事的有用性の一つだと主張した。

しかし、中国側は今回、公式的にはこう言っている。

中国外務省は、気球の主な目的は気象調査で自律制御能力は限られると述べ、天候の影響を受けて予想外に米国領空に入ったと主張している。また気球の持ち主がどの企業ないし団体かの情報は持ち合わせていないとも説明した。

この食い違いはなんのだろうか?
でも、バイデン大統領は撃ち落としたのは、あくまで正しいのだと主張する。

アメリカ本土の上空を飛行した中国の気球を巡っては、アメリカ側は偵察用だったとしてブリンケン国務長官が今月上旬に予定していた中国への訪問を延期したのに対し、中国側はアメリカ軍が気球を撃墜したことに強く反発するなど米中間で応酬が続いています。
バイデン大統領は16日、演説し、気球を撃墜したことについて「主権の侵害は受け入れられない。謝罪するつもりはない」と述べ撃墜は正当だったと主張しました。

では、アメリカ軍はホントにどうして撃墜したのだろうか?

中国の気球の航行に瑕疵はない?

今回の気球はADS-Bを発信していなかったらしい。

ADS-Bとは、「放送型自動従属監視」の略で、GPSなどの衛星測位システムを利用して、航空機が自らの位置を発信して外部からの追跡を可能にするシステムだ。航空関係者のみならず「フライトレーダー24」などのアプリを使えば民間の一般人でもチェックすることが可能とか。

 このシステムは気球にも搭載できます。過去の民間の気球を使った実験だと、「Loon計画」という気球を用いたインターネット接続実験の高高度気球がADS-Bを発信していたことがあります。一方で撃墜された中国の気球は一体なぜADS-Bを発信していなかったのでしょうか? 
 国際的にADS-Bを発信する義務があるわけではないので(国によっては既に義務化)、これをもって民間の気球ではないと言い切ることは出来ませんが、長距離を飛ぶ予定であるなら追跡にも便利で安全も高まるので、民間の機材ならばADS-Bを搭載して発信していた方が自然です。軍事目的の機材だったならば隠密に作戦を行いたいのでADS-Bの発信はされません。

中国にADS―Bを発信する義務はないのだ。

でも、あの気球は、ホントのところ、気象用なのか軍事偵察用なのだろうか?

気象庁をはじめ世界の気象機関等では、ラジオゾンデと呼ばれる気球を用いて大気圏内の気象状況を定期的に観測しています。
数日前からアメリカを浮揚していた気球がラジオゾンデに似ているとの声がありましたが、ゾンデとは大きく異なる特徴がありました。
一般的な気象観測用気球・ラジオゾンデはゴム製で、内部には水素が詰められています。地上での直径は1.5mほどで、上空3万メートル程度まで上昇し、直径8メートルほどにまで膨らんだところで破裂して落下します。
ゾンデはほぼ一定の速度で上昇するようにつくられていて、3万メートル上空に達するまでにおよそ1時間半ほどかかります。気圧、気温、湿度等の気象要素を測定しながら上昇し、随時無線でデータを地上に送信しています。
アメリカでは数日前から高高度を浮揚する白い気球が目撃されていました。報道によると、浮揚高度は2万メートル前後とのことで、旅客機の飛ぶ1万メートル強の高度よりは高く、雲よりも高い「成層圏」と呼ばれる高度です。
この高度はラジオゾンデの飛揚する高度にも含まれますが、滞空時間が大きく異なるため通常のゾンデとは違う機器であることが推定されます。ゾンデであれば同じ高度にとどまることなく上昇し、2時間以内には破裂して落下するはずです。

しかし、この気球は航路をコントロールすることが出来ないものだとわかっている。
だからバイデン大統領は安全保障上の問題はないと言っている。
ではどうして今回撃墜したのか?

「この、ハゲー!」で国会議員を辞めた豊田真由子氏はこう言っている。

そこには、中国の台頭と米中関係の緊張の高まりがあると思います。中国が、経済力と軍事力を増強させ、世界の大国となっていく中、一帯一路などで覇権を強化し、南シナ海での領土問題に見られるような国際法と他国の主権を侵害する行動を取り、国際秩序維持の基本的ルールを軽視していることに対して、そうした横暴は許さないという断固とした姿勢を示し、牽制をした、ということだと考えます。

ホントの問題は何なのか?

アメリカにとって中国の最近の気球戦略が脅威になっているのは事実なのだろう。

気球は人民解放軍が指揮する「中国気球船団」の一部で5大陸の40カ国超の上空を飛行、中国軍と関係のある企業が製造し軍に納入したとしている。米政府は、一連の気球飛行について中国の世界規模の偵察計画の一環で「米国の安全保障と同盟友邦諸国に脅威を突きつけた」(高官)と指摘。対象となった国々と情報共有を進める一方、米領空の偵察に関与した中国の団体に対する制裁措置を検討する方針だ。

https://www.sankei.com/article/20230210-YKFS4ALZSRKVZOASJMSGBQMXDI/


今日の日本テレビの『真相報道バンキシャ!』がこの問題を報道していた。

番組によると、中国はこの気球を数年前から海南島に打ち上げ場を整備して、発射していたらしい。

しかし、番組ではこうも言っていた。

中国の偵察衛星は400個、アメリカは2500個。気球はその差を埋めるためとか。

ということはどういうことか。

成層圏でヘリコプターや飛行機を偵察している上の衛星軌道にはアメリカの偵察衛星が中国の6倍近く飛んでいるのだ。
成層圏が軍事目的に使われようとしているのが問題なのではない。すでに、成層圏の外側では衛星がウヨウヨ回って偵察しているのだ。それも圧倒的にアメリカ優位のもとで。

いったい何を騒いでいるのだろうか?
気の小さい人がゴキブリを見て騒いでいるみたいなものなんじゃないだろうか?

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