日大役員の処分決まる!
学生の大麻所持で警察に報告が遅れたことが原因になって、日本大学のガバナンスが問われていた。
昨日、役員の辞任や処分が発表された。
学長、副学長は辞任。林真理子理事長は辞めずに、減給50%らしい。
減給50%とはずいぶん大きいなあ、と思っていたら、こんな記事もあった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c2664ef3496e4919f43335cb8e7683392d40c895
半額減っても、報酬が1200万円もあるなら、林氏にとってはあんまり痛くもないだろう。
と、思っていたら、今度は澤田氏が林真理子氏をパワハラで訴えた。
この学校法人はいったいどうなっているのだろうか?
大麻所持事件の経緯
でもなぜ日大の学長と副学長が辞任する事態になったのか?
直接の要因は、今年の6月に日大のアメフト部の部員が大麻所持しているという通報が警察にあったことから始まる。
いわゆる「空白の12日間」と呼ばれている問題だ。
警察への報告がそうなった経緯について、澤田副学長はこう言っていた。
この話が本当だと、大学が徹底した調査をさせてほしいと警察に要望したら、警察からも大学の調査に委ねたいという話があったらしい。
そして警察から犯罪事実が認められたら「自首をさせてほしい」と言われたので、「隠蔽しようなんてことは全く考えておらず、本人に反省を促し自首させたいと考えていた」と語っていたとか。
記者会見で、大学の副学長が、「ブツ」「カス」「パケ」という専門用語を使うのも何かスゴいものを感じる。
澤田康広副学長とはどんな人なのか?
田中英壽前理事長の時に、関西学院大学とのアメフトの試合で起きた「悪質タックル」事件というのがあった。
このときに記者会見の司会をして、横柄な態度が話題になったのが、この澤田副学長だ。そう、あの人なのだ。
澤田氏はまだ、副学長をやっていたんだ。
澤田氏の経歴はこんな感じ。
https://blue-thermal.jp/entertainment/sawada-yasuhiro/#google_vignette
日大出身の元検事だ。
だから、使い慣れた言葉として「ブツ」「カス」「パケ」って言ったりするんだ。
「空白の12日間」は何が問題なのか?
澤田副学長は、学生が大麻を所持していることを知っていたのに警察に報告するのが遅れたということが問題にされている。
では、報告が遅かったことはどういう問題があるのだろうか?
このことに、元警察官僚の澤井康生弁護士が答えている。
つまり、もしも澤田副学長が大麻と知っていて持っていたなら、澤田副学長に大麻所持罪が成立するということだ。
澤田副学長は、教育的な理由から、学生に自首させようとしたとも言っている。その場合はどうなのだろうか?
https://news.yahoo.co.jp/articles/35603b001586bac1e462ebdc87c64c874b9dd561
つまり、澤田副学長が教育的な意味で学生に自首を促していたとしても、澤田副学長に大麻所持罪は成立する。大麻を所持していた学生にも大麻所持罪は成立する。しかし、澤田氏が起訴されても有利な情状にはなるということだ。
澤田副学長は、東京地検総務部副部長、宇都宮地検次席検事などを務めた経歴を持つ。澤田副学長は、調査を始めた経緯について、「犯罪事実が認められた場合、本人に反省を求めて自首をさせたいと思った」とし、「判断は間違いではなかった」と述べていた。そして実際に澤田氏は大麻を見つけたのだ。
https://digital.asahi.com/articles/ASR885TYRR88UTIL01S.html
澤田氏は調査を始めて一週間で見つけ、林理事長に報告している。それを警察に報告しなかったのはむしろ林理事長の問題ではないのだろうか?
林理事長 vs 澤田副学長 ふたりの対立とは何か?
林理事長と澤田副学長の間のには溝があると報道されている。ではその対立の溝とは何なのだろうか?
「時事ドットコム」が18日、澤田氏の代理人から提供された録音データを基に2人のやりとりを伝えている。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/330807
騒ぎになっていて、誰も処分されないようでは文部科学省から補助金をストップされる。林氏は、理事長として生け贄を差し出すというような思いだったのかもしれない。
しかし、「講演会も延期とか言われたりしている」「隠蔽したことに私も手を貸している(と言われている)」なんていうのは私情と公務を混同しているようにも思う。
この人は、本当に理事長に相応しいのだろうか。
澤田氏は林氏のことをこう批判している。
もし、自分が澤田氏のような副学長で、学生の大麻所持が疑われているときにどうするだろうか?
大麻を見つけた時点で、警察に「逮捕してください」と連絡するだろうか?
それとも学生の将来のために自首を促すだろうか?
澤田氏が会見や取材で言っているのが本当だとしたら、澤田氏は学生に自首を促すために7日間かかった。そして林理事長に報告した。それから5日間、林理事長がこの話を預かっていたことになる。
これは「空白の12日間」としてマスコミが騒ぐのが正しいのだろうか?
責められるべきは、大麻を所持していた学生が一番だろう。
しかし、澤田氏は副学長として、学生の将来を考え、教育的に自首を促したに過ぎないのではないだろうか?
「ブツ」「カス」「パケ」という専門用語を使う澤田副学長を何かとても恐ろしい存在のように描いているマスコミに問題はないのだろうか?
大麻所持についての法律も知っている澤田副学長は、自分に被害が及ぶことを覚悟で学生に自首を促した。
会見での言葉遣いは悪いが、澤田副学長の行動だけを追うと、違う人物像も見えてくるような気がする。
澤田氏がパワハラの損害賠償請求で林理事長を訴えるのは、ある意味当然のようにも思う。
しかし、澤田氏という人は、そのことが日本大学のブランドイメージをさらに毀損することになるのを考えるような人ではないのだろう。