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把手共行

結婚ってなんだろう。

好きな人とずっと一緒に居られるものかな。

異性と同じ時間を共に過ごすものかな。

寄り添ってお互いの良いところも悪いところも委ねるものかな。

お互いの人生を肯定し合って、共に手を取り合って行くことかな。



両親の仲が特段悪いわけでもなく、ごくごく一般的な家庭で育ってきた私にとって、大人になったら結婚して家庭を持って、子供を産んで育てて、そういうことが当然だと思っていた。自然とできるものだと。

ところが、大人になるにつれて異性と付き合っていく中で、どうやら私は選ばれし者ではないと気付いた。男性側から選ばれないのだ。結婚相手として。私は遊ばれてばかりだった。ある男は私と別れて直ぐに別の女性と結婚した。また別の男は私と別の女性と二股をかけていて、最後はその女性を選んで結婚した。そんなことが何度も。

なんでだろうな。普通に付き合っていると思っていたのは私だけだったのかな。泣けてくる。

あれほど人生の設計図の一部に描かれていた結婚なのに。今は一ミリも設計されていない。

これほど打ちひしがれているにも関わらず、心のどこかでまだ希望を持っているのか、同じくらいの年齢の家族を見かけると胸がいっぱいになる。みんなが出来ていることが何故私には出来ないのか。どこでどう違ったんだろう。私もああいう人生だったんじゃないか。みんななんで結婚できるの。  そうやって周りと比べる自分も嫌になる。自分は自分だと割り切っているはずなのに。諦めきれない私がここにいる。


結婚という、出来そうで出来ないもの。

結婚がすべてではないというものの、味わった者だけが分かちあえる苦楽を共にできる喜びや幸せ。


彼を見るたびに羨ましさと悲しさで息ができない。

本当にありがとうございます!